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今よみがえる森鴎外

/8 優れた美意識、後世に恵み 近代詩の父=詩人・高橋睦郎

「開封の儀」で正倉院の宝庫に入る関係者ら=奈良市で2019年10月1日午前10時7分、姜弘修撮影

 今年、第七十一回正倉院展を拝観した。令和元年即位記念ということで、正月子日(ねのひ)、天皇の農耕儀礼用の手(て)辛鋤(からすき)、皇后の養蚕儀礼用の目利(めとぎの)箒(ぼうき)をはじめ、見どころ多い展観だった。二度、三度、会場を巡りつつ、考えていたのは大正七(一九一八)年、帝室博物館総長兼図書(ずしょの)頭(かみ)として正倉院拝観の特例を開いた鷗外漁史森林太郎のことだった。もし鷗外の英断が無かったら、こんにち私たちは正倉院の収蔵品を見ることができなかったかもしれないのだ。

 鷗外の活動範囲は驚異的に広い。明治十四(一八八一)年、最年少の十九歳で東京帝国大学医学部を卒業して…

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