メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

今よみがえる森鴎外

/8 優れた美意識、後世に恵み 近代詩の父=詩人・高橋睦郎

「開封の儀」で正倉院の宝庫に入る関係者ら=奈良市で2019年10月1日午前10時7分、姜弘修撮影

 今年、第七十一回正倉院展を拝観した。令和元年即位記念ということで、正月子日(ねのひ)、天皇の農耕儀礼用の手(て)辛鋤(からすき)、皇后の養蚕儀礼用の目利(めとぎの)箒(ぼうき)をはじめ、見どころ多い展観だった。二度、三度、会場を巡りつつ、考えていたのは大正七(一九一八)年、帝室博物館総長兼図書(ずしょの)頭(かみ)として正倉院拝観の特例を開いた鷗外漁史森林太郎のことだった。もし鷗外の英断が無かったら、こんにち私たちは正倉院の収蔵品を見ることができなかったかもしれないのだ。

 鷗外の活動範囲は驚異的に広い。明治十四(一八八一)年、最年少の十九歳で東京帝国大学医学部を卒業して軍医に任官、途中曲折はあったものの、陸軍軍医総監に任ぜられ、陸軍省医務局長に補せられ、軍医としての最高位に昇った。文学芸術面での活動の契機になったのは軍医任官三年後の衛生学研究のためのドイツ留学で、足かけ四年にわたる滞在中にふれた西欧の思想・文化への感動は、帰国後の歌人・国学者落合直文、井上通泰、鷗…

この記事は有料記事です。

残り1698文字(全文2137文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. ホームセンター、居酒屋、理美容店など営業認める 東京都が休業要請先公表

  2. 特集ワイド コロナショック 正確な現状分析なき「宣言」 元厚労相・前都知事、舛添要一氏

  3. 学生に「バイト来るな」 大学に「住所教えろ」 クラスター発生の京産大へ差別相次ぐ

  4. 東京都 感染拡大防止協力金に最大100万円 休業要請の事業者に

  5. なぜ布製?どうして2枚? マスク配布に広がる疑問や戸惑い その効果は

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです