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令和の大嘗祭考

/下 天皇制と共に肥大化 放送大教授・原武史さん

 現在の大嘗祭(だいじょうさい)は本来のあり方から逸脱していると考えています。江戸以前は儀式の数日前に建物が建てられ、終了後すぐに取り壊されました。明治に天皇制が肥大化する中で規模も大きくなったのです。

 天皇即位を内外に宣言する「即位の礼」とは性格が異なるはずだったのに、明治に定められた旧皇室典範により京都で同じ時期に続き、大嘗祭は即位の祝賀ムードの中で行われるようになりました。大正の大嘗祭では、わずかな参列者の中で厳粛に行われてきた従来のあり方が損なわれ、お祭り騒ぎも起きました。貴族院書記官長として参列した民俗学者の柳田国男は「莫大(ばくだい)の経費と労力を給与せられしことは全く前代未聞のこと」と批判しました。大正天皇自身も儀式の簡素化などを望みましたが、ほとんど受け入れられませんでした。

 大嘗祭の明確な実施規定は戦後なくなりましたが、政府は前回、宗教色を認めつつも「公的性格がある」として公費を支出し、今回も引き継ぎました。大正、昭和を踏襲した儀式の段取りもほぼ同じです。祝宴「大饗(だいきょう)の儀」に600人以上が招待され、4回にわたって行われた国事行為の「饗宴の儀」とともに東京では祝宴が続きます。地方で災害が相次ぐ中、国民と天皇が遊離している印象さえ受けます。

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