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台風19号 別所線復旧、官民で模索 鉄橋崩落、工事に巨費 上田 /長野

崩れ落ちた上田電鉄別所線の鉄橋。赤い橋は別所線のシンボル的存在だった=長野県上田市諏訪形の千曲川左岸で

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下之郷駅で別所温泉方面に折り返す上田電鉄別所線の電車(右)=長野県上田市下之郷で

 台風19号による増水で上田市の千曲川左岸堤防が削られ、鉄橋が一部崩落した上田電鉄別所線。同社は被災2日後から不通となった鉄橋を含む区間で代行バスを走らせ、列車運行を続けている。被災から間もなく1カ月。同社と市、県、国土交通省は全線復旧の方策を検討中で、市民にも支援の動きが出ている。【武田博仁】

 鉄橋は10月13日朝に崩落。上田電鉄は15日に上田―下之郷間をバスで代行し、下之郷―別所温泉間で列車運行を始めた。今月16日からは列車運行を城下まで延長し、バス代行区間は上田―城下間1駅分だけになる。上田―別所温泉間の所要時間は現在は50分以上かかるが、40分弱に縮まるという。

 7日、上田駅前で代行バスを待っていた買い物帰りの女性(85)は「沿線に住む私たちには大事な路線。時間がかかるのは、しょうがない」と話した。下之郷駅でバスから電車に乗り換えた京都市の女性2人は美術館見学が目的で「自然災害は仕方ない。来られてよかった」と喜んでいた。

 鉄橋の崩落現場を4日に視察した赤羽一嘉国交相は、代行バス運行への財政支援に積極的姿勢を示した。問題は鉄橋の復旧だ。

 上田電鉄によると、復旧には億単位の費用がかかる。工事は秋から春の渇水期しかできないといい、矢沢勉運輸課長は「これから落ちた鉄橋が使えるかどうかなどを調べる。全線復旧は早くても2年はかかるだろう」とみる。同社は災害復旧支援金を募っている。

 上田地域にはかつて複数の私鉄路線があったが、今も残るのは別所線だけ。別所線もマイカー普及などで1970年代に廃止議論があった。上田市によると、国と県、市が安全対策費として毎年計1億~1億5000万円を補助しており、財政支援がないと成り立たないのが実情という。

 輸送人員は近年上向きで、NHK大河ドラマ「真田丸」が放映された2016年度に131万人に達し、18年度は129万9000人。アニメのキャラクター導入、上田女子短大生による車内ガイドや電車撮影会などの催しで鉄道ファンを引き付けているという。

 土屋陽一・上田市長は10月31日の記者会見で「年間130万人が利用する大切な公共交通機関。国や県と連携して全力で支援に取り組む」と述べた。

 さまざまなイベントを開き支援活動をしている「別所線の将来を考える会」代表の竹田貴一さん(65)は「幾つかの団体と協力して復旧を支え『市民力』を示したい。それが地域づくりにつながる」と意欲を語る。

 多額の費用が課題になるが、官民を挙げた復旧が待たれている。

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