メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

今週の本棚

本村凌二・評 『奴隷の哲学者エピクテトス 人生の授業』=荻野弘之・著、かおり&ゆかり・漫画

 (ダイヤモンド社・1540円)

 二世紀の五賢帝最後の皇帝マルクス・アウレリウスは奴隷あがりの哲学者エピクテトスから最も深い影響を受けたという。ストア派の哲人皇帝の名高い『自省録』をひもとけば、皇帝が奴隷出身の哲学者のまぎれもない忠実な弟子であったことが分かる。といっても、直々(じきじき)に師弟であったわけではなく、師と仰ぐ貴族ルスティクスに導かれて、エピクテトスの「覚書」に親しんだのである。

 奴隷身分から解放されたエピクテトスは、ローマを去ってギリシア本土のニコポリスに移住し私塾で教師をしていたが、ソクラテスと同様に、とくに著作を残さなかった。彼の弟子の一人が言行録のごとき『語録』を作成し、やがて門下生以外にも流布して広く読まれるようになったらしい。さらに、これを抜粋した文庫本のごとき『提要』が編纂(へんさん)され、それが広範に出まわって、後代にも圧倒的な影響をおよぼしたという。

この記事は有料記事です。

残り1100文字(全文1496文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「心が騒ぐような情報からは距離を」 相次ぐ著名人の自殺報道、専門家が助言

  2. ORICON NEWS 『バイオハザード』新作アニメ制作決定、Netflixで来年配信 フル3DCGで初の連続CGドラマ化

  3. 女優の竹内結子さん、都内の自宅で死亡 40歳

  4. アゼルバイジャンとアルメニアが軍事衝突 双方に民間人を含む死傷者

  5. 新型コロナ、感染しやすさに地域・民族差なし 遺伝子レベル分析 北大研究チーム

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです