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大竹文雄・評 『新医療経済学 医療の費用と効果を考える』=井伊雅子・五十嵐中・中村良太・著

 (日本評論社・2530円)

 日本の財政赤字がなぜ大きいのか。多くの人は、「国が無駄遣いをしているからだ」と思っている。公共事業や公務員数の削減で消費税を上げなくても保育所を増やせるし、学校教育も充実できる、という主張をする政党が選挙の際に登場し、時には多くの票を取ることからそれが分かる。

 しかし、日本の財政赤字が巨額になっている大きな理由は、社会保障給付で、医療費と介護費は毎年数千億円ずつ増えている。特に、高齢者向けの医療と介護の経費なのである。税金や社会保険料の負担の増加を抑えていくためには、同じ金額でもっとも効果が大きな医療サービスにお金を使うような仕組みを作っていく必要がある。

 医療費がすべて個人負担であれば、命に関わることだから医療費にいくらお金がかかってもいい、という考え方でも問題ない。しかし、日本の医療費や介護費は、税金や社会保険料からも賄われているのだから、教育や防災のための支出と比較するという問題が避けられない。

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