メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

今週の本棚

山崎正和・評 『ホモ・デジタリスの時代』=ダニエル・コーエン著、林昌宏・訳

 (白水社・2420円)

 この本の表題は難しいが、原書の表題は明快である。原題は「時代は変わったというべき……」。副題は「懸念される変化の(うなされるような)編年史」である。明らかにこのほうが、内容を正確に表している。

 ちなみに驚くべきは著者の博覧強記であって、全巻に先学の時代批評の引用がちりばめられている。総二百ページの各ページに平均して二編以上、さながら「時代批判史で綴(つづ)る五十年の現代史」というべき観を呈しているのである。

 著者自身の現代の把握は、基本的に一種の下降史観に貫かれている。工業化とともに大量生産を興し、テイラー方式の流れ作業で頂点を築いた資本主義は、この五十年間で限界を見せ始めた。多彩な社会変革は試みられたものの、どれもがその内部に矛盾を露呈し、わかったのは資本主義は不幸だが、その代わりになるものはないということだった。

この記事は有料記事です。

残り1705文字(全文2081文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「自殺ない社会、作っていただけるようお願い」 官房長官 7月以降、増加に転じ

  2. 世界の再生エネ発電量、初めて原発上回る 19年 太陽光や風力急増

  3. 「アベノマスク」単価143円の記述 黒塗りし忘れか、開示要求で出した文書に

  4. 長さ2mのバトン、掛け声は紙で、競技はテレビ中継…コロナ下の運動会

  5. 安倍政権が残したもの 政治的下心のため経済政策を利用した“アホノミクス”の大罪 浜矩子氏が斬る「景気回復」

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです