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「田舎も医療は重要」国の公立病院再編に猛反発 民間の統合も見通せず

自治体や病院の関係者で埋まった岡山市での病院再編に関する意見交換会=岡山市北区の岡山コンベンションセンターで2019年10月30日午後2時13分、原田啓之撮影

 厚生労働省が9月に「再編・統合の議論が特に必要」として公表した424の公立・公的病院リストが波紋を広げている。名指しされた病院や自治体が相次いで反発し、厚労省は各地で釈明に追われた。政府は2025年度までに規模縮小も含めた再編・統合を終える計画で、財政支援も強化するが、利害が絡み地域社会のあり方にも関わる問題だけに、関係者の決断を促すのは容易ではない。【原田啓之】

 岡山市北区の「福渡(ふくわたり)病院」は、深い緑の山並みに囲まれた52床の小さな公立病院だ。「肝臓の数値が悪いね」。10月末の診察室。塩田哲也院長は耳に補聴器を付けた男性患者(85)に顔を近づけ、検査結果をゆっくりと伝えた。

 福渡病院はもともと、岡山市に隣接する久米南(くめなん)町と旧建部(たけべ)町で運営され、自治体合併で住所が岡山市になった。大病院の集まる市中心部から車で30分以上。高齢者の肺炎や骨折、人工透析など幅広く対応するが、地域の過疎化で患者は減っている。介護施設が増え高齢者の長期入院が減ったこともあり、昨年度の病床利用率は35%にとどまる。

 とはいえ、住民には大事な医療機関だ。来院していた男性患者も心臓病で救急搬送されたことがある。夫婦とも運転免許はない。病院が再編リストに載ったことに、妻(80)は「他の病院は遠くて通えない。残してほしい」と訴える。

 病院には2市町から年間約2億円の公金が投入されるが、赤字が続く。塩田院長は「救急の受け入れは続けるが、病床は減らしてもいいのかも……」と悩む。

 国がリスト化したのは、公立病院と国立病院機構や赤十字などの公的病院のうち、重症患者を扱う「急性期」病床を持ちながら急性期の診療実績が少…

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