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社説

台風・豪雨からの避難 仕組み作りを社会全体で

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 東日本を中心に甚大な被害をもたらした台風19号の上陸からきょうで1カ月となる。半月後の21号の影響による豪雨被害と合わせると、亡くなった人は100人を超えた。

 毎日新聞が亡くなった場所や状況を調べたところ、「車中死」が全体の約3割に上った。車で帰宅途中や避難途中に水にのまれたケースだ。

 すでに道路に水があふれる危険な状況で移動したことが原因だ。なぜ間に合わなかったのか。避難情報などを危険度に応じて5段階に分かりやすく整理した警戒レベルの運用が今年始まった。この新システムが十分機能したか検証する必要がある。

 一方、屋内で濁流に襲われた人も多数いた。車中死に比較的若い世代が目立ったのに対し、屋内死は高齢者が多かった。水位が一気に増す中で、自力で逃げられなかったり、自分で避難すべきかどうかを判断できなかったりしたとみられる。

 台風19号について、気象庁は上陸の3日前に記者会見して注意を呼びかけていた。それでも、逃げるタイミングを逸した屋内死や車中死が相次いだ。

 市町村が高齢者らに避難を促すのは警戒レベル3になってからだ。気象庁などが出す情報では洪水警報などがレベル3に相当する。

 だが、今回のように大型で強い台風の上陸が予想され、何日も前から被害が出る恐れが指摘されていた場合、遅くとも前日までに高齢者らに避難を促し、支援する仕組みを作るべきではないか。

 平日の発生だった21号豪雨の犠牲者には、車での仕事帰りだった人も含まれた。これも企業があらかじめ休業を決めておけば被害を防げるケースだ。災害の発生が予測されていても、多くの企業は休みとはならない。そうした働き方から考え直すべきではないか。

 気候変動で豪雨災害が増えている。住民が危機意識を共有し、自ら早めに避難するようになるのが理想だ。だが、特に災害の経験が乏しい地域の住民にそうした意識を広げるには工夫がいる。

 まず国や自治体、企業が、避難の遅れを生じさせないための組織のあり方や制度の見直しを進めるべきだ。命を守る仕組み作りに社会全体で取り組まねばならない。

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