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県内に深い爪痕を残した台風19号の上陸から12日で1カ月を迎えた。いまだ8市町村34カ所の避難所で532世帯1050人が暮らしている。長期にわたる不自由な生活で、被災者からは疲れの色が見え始めている。【渡部直樹】
市街地が広い範囲で浸水した郡山市では、12日午前10時現在も、10カ所の避難所に171世帯343人が暮らす。市立芳賀小学校の体育館に避難している同市横塚の三本木宏彰さん(65)は「もう疲労困憊(こんぱい)だ。曜日感覚もなくなってきた」とため息をついた。自宅はアパートの1階。13日未明にベッドが揺れて目が覚めると自室は膝下まで浸水しており、歩いて小学校に避難した。
今は段ボールに囲まれた3畳ほどのスペースで、体操用マットで寝起きしている。郡山市は市営住宅や東京電力福島第1原発事故の避難者向け仮設住宅などを無償提供しているが、三本木さんは応募しなかった。もともと悪かった足腰が避難所生活でさらに弱り、自力で買い物に行けなくなったためだ。
地域包括支援センターに紹介されたサービス付き高齢者住宅に移ることに決め、連絡を待っているという。「ここはまわりに気を使うので落ち着かない。早く高齢者住宅に行きたい」と話した。
本宮市でも5カ所の避難所で約150人が暮らしているほか、浸水を免れた2階で暮らしている人も多い。
避難所となっている市立本宮小学校の体育館では、無償の昼食を受け取るために訪れた近隣の主婦らが談笑していた。同市本宮舘町の50代の女性は、自宅1階が床上2メートル以上浸水し、2階での生活を続けている。「毎朝、起きる度に、これは現実なんだと落ち込んでしまう。ここに来てみんなで話しているときだけ笑える」と話した。
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