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台風19号による増水でやな場が壊れ、今年のサケ漁を見合わせていた楢葉町の木戸川漁協が試験的に漁を始め、12日には来年の稚魚放流につなげるため、今年初めて採卵作業を行った。ふ化場長の鈴木謙太郎さん(37)がメス7匹から約1万5000個の卵を取り出して受精させ、漁場復活へ再び歩み始めた。
昨年は約6100匹を捕獲し、349万匹の稚魚を育てた。今年は10月中旬から予定していた漁を始められず、9日から開始。最盛期は既に過ぎており、捕獲数は約150匹にとどまる。
漁期は11月中旬までで既に最終盤。この日用意したメスも産卵を終えていて採卵できないものがほとんどだった。稚魚確保の見通しは厳しいが、鈴木さんは「できる限りのことをしたい。貴重な卵から一匹でも多くふ化させたい」と話す。
今年は福島第1原発事故の避難指示解除後に再開した稚魚放流の効果で1万匹の漁獲を見込んでいたが、台風とその後の大雨で漁ができず9年ぶりに予定した「鮭(さけ)祭り」を中止。稚魚の確保を優先するため、イクラや切り身の販売も見送った。
漁労長の渡辺忠男さん(76)らはやな場の修復や川底の整備を進め、安全確認などを兼ねた合わせ網漁を開始したが、外洋の海水温上昇などもあってか、サケの姿はわずかだ。渡辺さんは「水さえ引けば取れると思って作業してきたが、魚が来ない。でも来年以降のため、取れる限りは漁を続ける」と通常の漁期を過ぎても仲間と川に入り、網を引くつもりだ。【乾達】
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