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社説

「桜を見る会」の支出増 公金私物化の疑問が募る

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 これも長期政権のおごりや緩みの表れなのか。首相が主催して毎春、東京・新宿御苑で開いている「桜を見る会」をめぐる運営実態の不透明さが浮き彫りになってきた。

     安倍晋三首相の地元後援会関係者が多数招待されていることに対し、公的行事の私物化ではないかと批判が出るのは当然だ。政府はあわてて今後、招待者を絞る検討を始めたというが、これまでの経緯をきちんと首相自身が説明する必要がある。

     首相が出席し、酒や菓子もふるまわれる桜を見る会への参加は無料で、費用は税金でまかなわれる。戦後間もなく始まり、旧民主党政権時にも1度開かれた恒例行事だ。

     ただし見逃せないのは2012年の第2次安倍政権発足後、招待者数や支出が急増している点だ。

     今春の参加者は、14年度と比較すると約4500人増えて約1万8000人。費用も来年度予算の概算要求額は14年度の2倍近い約5700万円となっている。

     共産党の調査によると、最近目立つのは安倍首相をはじめ、自民党議員の後援会関係者だ。首相の場合、上京した地元関係者は前夜、東京都内のホテルで約850人規模のパーティーを開いており、桜を見る会と事実上セットになっていたという。

     そもそも招待者の人選基準はあいまいだ。安倍首相は国会で「各界で功績、功労のあった方々を招いている。地元には自治会やPTAなどの役員をしている方々もいるので後援会と重複することもある」と答弁したが、招待者が急増した説明とはなっていない。

     人選を取りまとめているという内閣府は「関係書類は廃棄した」の一点張りだ。

     支出増の理由は「テロ対策の強化や混雑緩和」と言うが、ならばより詳しい内訳を早急に公表すべきだ。

     政治家が自分のカネで地元有権者に酒食をふるまえば公職選挙法違反となる。一方、公的行事を政治家が利用するのは税金を使った選挙対策とさえ言える。公私混同は政治権力を持つ首相が最もしてはならないことの一つのはずだ。

     自民党議員にも「招待枠」が割り当てられているとの指摘もある。政権与党全体が、こうした問題に鈍感になっているのも否定はできまい。

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