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山は博物館

水をめぐって/2 只見川のダム、陰に囚人の苦役

宮城刑務所の囚人が作業した現場で最大の田子倉ダム=福島県只見町で2019年8月18日午後3時20分、去石信一撮影

 <くらしナビ・環境>

 奥会津の雪解け水を集める福島県の只見川では太平洋戦争後、復興と経済成長のためにと東北電力などが次々と水力発電用ダムを造った。工事に駆り出されたのは囚人。宮城刑務所は現場に寝泊まりさせ、7年間で全国最大規模の延べ67万6000人を動員した。

 只見川は尾瀬ケ原を水源とし、燧ケ岳(ひうちがたけ)や会津駒ケ岳の雨を集めながら奥会津を貫流する。岩手県の山王海(さんのうかい)や田瀬の各ダムで実績を上げた宮城刑務所が、最初に只見川に出役したのは1951年12月、会津坂下(ばんげ)町にある片門(かたかど)ダムだった。宿舎は「荒涼たる冬の山峡(やまかい)に急造の生木で作ったバラック建。寝具を乾燥する術(すべ)もない」と記録されている。その後、上流に向かって田子倉まで計6ダムと宮川の1ダムに作業場を拡大。58年11月まで最盛期は1日約1000人が働いた。

 当時の雑誌「刑政」によると、作業場は「ドリルの音、ハッパの音、鉄板のきしむ音、モーター音が入り乱れる」と紹介。1~2月は「吹雪の中で凍傷や怪我(けが)と戦いながら過ごした」。性犯罪者は除き、改善が比較的困難な「B級」の者が集められたが働きぶりは良かったという。休みは多くて月2、3日。ありがたいのは「労働争議が絶対にない」こと。月1回の映画観賞など余暇もあり、「今は苦しませるのではなく、労働意欲を…

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