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台風19号1カ月 自宅、戻れるのはいつ

仮設住宅のこたつで向き合う佐藤光一さん(左)と妻=福島県本宮市で2019年11月12日午前10時1分、渡部直樹撮影

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 台風19号の上陸から12日で1カ月。被害を受けた東日本各地は、21号の影響による大雨にも見舞われた。自宅や畑は泥に覆われ、復旧が進んでいない地区もある。【渡部直樹、伊澤拓也、堀智行、上遠野健一】

福島 仮設入居「前向きに」

 阿武隈川の氾濫などで浸水した福島県本宮市の佐藤光一さん(65)は12日、東京電力福島第1原発事故の避難者向けに造られ、台風19号の被災者に提供された仮設住宅で「ようやく炊きたてのご飯を食べられた」と表情を緩めた。

 妻(64)、次男(37)との3人で、10日に入居したばかり。4畳半2部屋でこたつや冷蔵庫などは友人から譲ってもらった。

 東日本大震災で傾いた実家を建て替えた自宅は床上1・97メートルまで浸水。床や壁の張り替えなど、修理に2カ月半かかる。佐藤さんはこたつで妻と向き合い「落ち着ける場所ができて少し前向きになれた。早く自宅に戻りたい」と話した。

宮城 町議選、14人全員当選

 10人が死亡、1人が行方不明となった宮城県丸森町では、町民らが犠牲者を悼んで黙とうをささげた。

 12日正午、屋外拡声器からサイレンが鳴り響くと、佐藤義二さん(84)、けさのさん(86)夫婦は自宅を片付ける作業の手を止め、目を閉じた。「なんぼか落ち着いたけど、いつになったら自宅に住めるのか」。佐藤さんは床板をはがした状態の1階を見つめ、ため息をついた。

 10月12日、夫婦は避難せずに自宅に残り、床上浸水のため2階で孤立した。翌日午後3時ごろ消防隊におぶわれて救助され、現在は仙台市にある三男夫婦の家に身を寄せている。けさのさんは黙とうを終えると「もう二度とこんなことがないように神様にお願いした」と話し、片付けのために自宅の中に戻った。

 丸森町ではこの日、任期満了に伴う町議選が告示され、定数と同じ14人が立候補して無投票当選が決まった。直前に出馬を決めたという林業、金森裕之さん(42)は「復旧・復興のためには議員が必要。町民の要望を聞きながら国や県に迅速な対応を求めたい」と意気込みを語った。

千曲川の堤防決壊で渋沢紀美恵さん(右)と夫典男さん(左)の住宅、リンゴ畑も浸水被害を受けた。片付けの合間にボランティアの男性とお茶を飲みながら笑顔を見せた=長野市で2019年11月12日午後3時55分、竹内紀臣撮影

長野 収穫期リンゴ売れず

 千曲川の堤防が決壊した長野市穂保地区では12日、リンゴ農家が畑に散乱するごみや、畑一面を覆った泥をスコップで取り除いた。

 畑では収穫期を迎えたリンゴが真っ赤に色づいているが、泥水につかり出荷できなくなった。ドラム缶や瓦などのごみが泥に埋まったままの畑も少なくない。畑に落ちたリンゴを片付けていた農業、金箱(かねばこ)一雄さん(70)は「収穫真っ盛りだったが泥で売り物にならない。あと10年は頑張りたいがどこまで体がついていくか」と語った。

 穂保地区にはこの日も約300人の災害ボランティアが駆けつけた。同地区の無職男性(72)は「1人で片付けをしていると気がめいるが、ボランティアが来てくれると『被災地を忘れないでいてくれる』と勇気づけられる」と話していた。

風水害が続き、多くの住宅が被災した地区。業者の手が足りず、屋根には今もブルーシートが目立つ=千葉県鋸南町岩井袋で2019年11月12日午前10時40分、手塚耕一郎撮影

千葉 避難で空き家増加

 山に囲まれた入り江に119世帯の集落がある千葉県鋸南(きょなん)町岩井袋地区は9月の台風15号で多くの家屋が被害を受け、19号と21号が追い打ちをかけた。12日、まだほとんどの屋根がブルーシートで覆われていた。山の斜面には飛ばされたシートが散乱し、倒木が横たわり、木の間に落石が引っかかっていた。

 自治会長の平田幸雄さん(71)は「もともと高齢者の多い地区。子どもの元に避難するなどして30軒ほどが空き家になってしまった」と言って集落を見回した。

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