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めんどくさがり芸人が斬る日常 ハライチ岩井勇気さん初のエッセー集「僕の人生には事件が起きない」

エッセー集「僕の人生には事件が起きない」を出版した岩井勇気さん=東京都渋谷区で2019年11月2日、佐々木順一撮影

 お笑いコンビ・ハライチの岩井勇気さんが、初のエッセー集「僕の人生には事件が起きない」(新潮社)を出版した。テレビ番組で身の回りの出来事を面白おかしく“事件化”して語るのが常のお笑い芸人とは、およそ思えないタイトル。だが、それこそが、岩井さんが今、支持を広げている理由でもある。過剰に飾られた昨今のテレビ番組を“偽り”と切り込む姿が「腐り芸人」と人気を呼び、自身のラジオ番組で語る「何でもない日常」の面白さがリスナーの心をつかんでいるのだ。

 エッセーにつづったのも、こうした「何でもない日常」。「全くもって“波瀾(はらん)万丈”ではない」半生を生き、現在も「変わったことなどほとんどない」日々の連続だという岩井さんだが、1人暮らしの自宅で、ショッピングモールで、かかりつけの歯医者で、マニュアルだらけの飲食店で、小さな違和感を膨らませていくその切り口は、唯一無二の存在感を放つ。「どんな日常でも楽しめる角度が確実にあるんじゃないか」と書く岩井さんに、独自の視点を持つようになった原点や「腐り芸人」と呼ばれる心境などを聞いた。【山田夢留】

漫才のネタとエッセー 「割と似てます」

--岩井さんはハライチの漫才のネタを書かれていますが、同じ書く作業でもエッセーとはまったく違いますか?

岩井勇気 いや、割と似てますね。漫才のネタ書く時、リズムみたいのを大事にするんですよね。ひっかからず、聴いた人にすっと入るように。だから文章でも、リズムよく読める、というのは考えてます。あとは「このボケ、接続詞が違うだけで全然面白くなくなってくる」とか、細かいこと考えるのは漫才書いてる時の感じですね。僕は活字をまったく読まないんですが、最近本をもらったので読んでると、「くどいなあ」って思うんですよ(笑い)。文章の人にそんなこと言っていいのかわかんないけど、くどいよ、もっと言葉減らせるじゃん、って。僕は意識的に言葉少なに笑い取ることに終始してきたんで、引き算の作業の方がうまいような気がします。

--言葉の選択が、おどろおどろしいものが多いですよね。「死の庭」とか「血反吐(へど)を吐くように」とか「悪魔の家具」とか。

岩井 アニメとか漫画が好きなんで、その影響ですね。しょうもない日常のことしか書いてないんで、サイコホラーとかファンタジーとか織り交ぜ…

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