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記者の目

五輪マラソン・競歩札幌移転問題 真夏開催こそ見直しを=小林悠太(東京運動部)

マラソン、競歩の札幌移転を協議したIOC調整委員会で、握手するIOCのジョン・コーツ調整委員長(中央奥)と東京都の小池百合子知事(右端)=東京都中央区で2019年10月30日、代表撮影

 来年7月に開幕が迫る東京五輪のマラソンと競歩の会場が暑さ対策のため札幌市に移った。酷暑の中、9月27日~10月6日に中東カタールの首都ドーハで開かれた陸上の世界選手権で途中棄権する選手が相次いだことが発端だった。危機感を覚えた国際オリンピック委員会(IOC)が「アスリートファースト(選手第一)」と強調して変更した。選手の体調を考慮すれば、札幌移転は妥当な判断だ。ただ、唐突で場当たり的にも映る対応に選手や開催都市は振り回された。世界規模で気候変動が進む中、選手第一をうたうなら、真夏の五輪開催を抜本的に見直す時期にきていると思う。

 ドーハでのマラソン、競歩は暑さを考慮し異例の深夜に行われたが、大半は気温30度以上で湿度70%超だった。私も現地で取材したが、サウナにいるようだった。女子マラソンでは出場68人中、4割超に相当する大会史上最多の28人が途中棄権し、車椅子や担架で運ばれた。日本代表コーチを務めた天満屋の武冨豊監督は「もう二度とこういうレースを選手に走らせたくない」とこぼした。

 IOCは「ドーハの気象条件は東京に似ている」と五輪会場の変更に動いた。選手が力を発揮するには8月の平均気温が東京より3~4度低い札幌は望ましい。中京大の松本孝朗教授(環境生理学)によると、計画通り午前6時にマラソンをスタートすると、熱中症予防などの指標のWBGT(暑さ指数)はレース終盤、東京は28度以上の「厳重警戒」に達するが、札幌は25度未満の「注意」にとどまると推定される。データも移転の妥当…

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