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あおり運転の厳罰化 抑止へつながる法改正に

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 前の車に嫌がらせをして通行を妨害する危険な「あおり運転」について、警察庁が道路交通法改正による厳罰化を検討している。

 あおり運転が原因の悲惨な事故が相次いでいる。道交法にあおり運転を直接罰する規定はない。新たな対策が必要であることは理解できる。

 警察庁は、あおり運転がどのような行為かを示した上で、行った人の運転免許を取り消す方向という。

 現在、交通に著しい危険を生じさせる恐れがあると認められれば、免許を最長180日停止できる。この規定を厳しくして、免許を取り消せるようにする案も有力だ。

 あおり運転は、2017年に神奈川県の東名高速道路で、追い越し車線に停車させられた車が追突され、夫婦が死亡して社会問題化した。

 警察庁は昨年1月、現行規定での積極的な取り締まりと、危険運転致死傷罪や暴行罪など法令を駆使した捜査を全国の警察に通達した。

 しかし、あおり運転は後を絶たない。車間距離を詰め過ぎる違反の摘発は昨年1年間に1万3025件あり、前年の1・8倍に上った。

 昨年7月には、あおり運転の車に追突されたバイクの大学生が死亡した。今年もあおり運転の末の殴打事件やエアガン発射があった。

 運転ルールは社会の認識の変化に応じて改められてきた。厳罰化に伴い、飲酒運転事故は減少した。あおり運転の法改正も同じ狙いがある。

 課題になるのは、どの程度のあおり運転を免許取り消しとするかだ。現行の道交法上の妨害行為には、前の車への接近のほか、幅寄せ、急ブレーキ、急な進路変更などがある。

 免許取り消しの対象となる新たな規定が抽象的すぎると、効果的な取り締まりができない一方、警察官による恣意(しい)的な運用を生みかねない。

 危険な状況を数値で示しにくい行為も多い。取り締まりのあり方を含めて議論し、あおり運転の抑止につながる制度にしなければならない。

 併せて、ドライバーへの注意喚起が引き続き欠かせない。免許取得や更新の講習などで、危険性を実感できる工夫を凝らしたい。

 アンガーマネジメントという心理面からの取り組みもある。カッとなったら、6秒待つと怒りが静まるという。啓発の参考になるだろう。

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