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パラアスリート交差点2020

変化を恐れない 信じて新たな挑戦=競泳・山田拓朗

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 9月にロンドンで行われたパラ競泳の世界選手権では納得のいく結果を残せませんでしたが、新たなチャレンジもしました。開幕まで300日を切った東京パラリンピックにつなげることができたと思います。

     世界選手権では、男子50メートル自由形(運動機能障害S9)などに出場しました。50メートル自由形は26秒66で、自己ベストに及ばず予選敗退でした。しかし、ずっと取り組んできたスタートの改善について、手がかりをつかんだ気がします。初速を上げるには、飛び込む際に手を真っすぐ伸ばす「ストリームライン」という姿勢をしっかりと取ることが必要です。両手を真っすぐ伸ばすためには、手を肩から頭の上の方に伸ばす動作と、両手を内側に閉じる動作の二つが必要です。これらをスムーズに行うポイントは、胸の骨格部分「胸郭」の可動域にあります。

     レース直前は、胸郭の可動域を上げるために日本代表チームにある、ストレッチ用の器具などを試しました。すると肩周りの動きがよくなり、ストリームラインが安定してきました。調子もよく「これはいけるのでは」という感覚に包まれました。50メートルのレースではしっかりと体が動きましたが、思うようなタイムは出ませんでした。

     レースを分析すると、いつもより泳ぎのテンポが遅くなっていることが分かりました。胸や肩、両手の動きがよくなったことで、泳ぎが大きくなり過ぎていたのかもしれません。筋肉の可動域が広がり、コントロールできなかったのだと思います。

     一方、帰国直後に行われたジャパンパラ大会(横浜国際プール)では、時差ぼけがひどく、疲労困憊(こんぱい)で風邪気味だったにもかかわらず、世界選手権より良いタイムが出ました。結果的にこれまでコントロールできた範囲内の泳ぎをしたためだと思います。

     方向性は間違っていないので、練習を通じて新たな可動域になじみ、体に覚え込ませていきたいです。積み上げた先に、きっと良い結果が待っていると信じて練習に励みます。目の前の練習に集中し、高いレベルでの東京パラリンピック出場を目指します。=原則隔月掲載(タイトルは自筆)


     Q ラグビー・ワールドカップ(W杯)で日本が8強入りしましたが、どのように感じましたか。

     A 勤務するNTTドコモはラグビーのトップリーグに所属しており、何度か観戦したことがあります。ラグビーはなじみ深いです。W杯はテレビで観戦しました。スポーツとして美しいし、歴史的に紳士のスポーツであるところも見どころだと思います。選手が長い時間をかけてハードワークをしてきたことに敬意を表します。

     お祭り好きな日本人。「勝ち進んでいるから」「みんなが盛り上がっているから」と応援した人も少なくなかったと思います。スポーツの価値を発信してきた選手たちを、大会後も大事にしてほしいです。


     ■人物略歴

    山田拓朗(やまだ・たくろう)氏

     兵庫県三田市出身。先天性の障害で左肘から先がない。競泳男子自由形で短距離が専門。パラリンピックには、日本歴代最年少の13歳で臨んだ2004年アテネ大会から4大会連続出場。16年リオデジャネイロ大会は男子50メートル自由形(運動機能障害S9)で銅メダル。NTTドコモ所属。28歳。

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