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橋爪大三郎・評 『原子力時代における哲学』=國分功一郎・著

 (晶文社・1980円)

 福島第一原発のメルトダウン。それ見たことか、と脱原発の声が高まった。だが、著者は危惧する。かつては誰もが原子力平和利用に賛成した。いま脱原発を合唱するのも同じで、大勢に流された思考停止ではないのか。原発がダメな論拠を固めるのもよい。だがそれは政治的主張。原発とどう向き合うか、哲学ならではの役目があるはずだ。

 そう考え國分氏は、ドイツの哲学者ハイデガーに注目する。一九五○年代に早くも、原爆でなく原子力そのものが問題だとのべたのは彼だけだった。なぜその着眼が可能だったのか。

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