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台風19号 リンゴ再起で復興を 若手農家、ネットで寄付募集 台風被害の長野・長沼地区

台風19号などの浸水被害から逃れたリンゴを収穫し、笑顔を見せる徳永虎千代さん=長野市で2019年11月9日、竹内紀臣撮影

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 台風19号で千曲川の堤防が決壊し、甚大な農業被害が出た長野市。リンゴ農園を営む徳永虎千代さん(27)が、ネット上で資金を募るクラウドファンディング(CF)で農家復興プロジェクトを始めた。徳永さんは「復旧するだけではなく、以前からの課題だった耕作放棄地の増加や後継者不足も解決する『復興』に取り組みたい」と産地再生を目指す。【島袋太輔】

 堤防が決壊した長野市長沼地区の周辺は、県内有数のリンゴ産地として知られる。千曲川から約500メートル西を南北に走る国道18号沿いはリンゴ畑や観光農園が並び「アップルライン」の愛称で親しまれてきた。だが約200ヘクタールの畑が浸水し、栽培の継続が危ぶまれている。市全域での農業被害額は約44億2400万円で、リンゴは約6億円に及んだ。

 徳永さんは100年以上続く農家の4代目で2016年に就農。耕作放棄地を引き受けるなどで栽培面積をほぼ4倍の約4ヘクタールまで増やし、年間約50トンを生産するまでになったが、その8割が浸水した。「このままでは廃業する農家が続出し、産地そのものが失われてしまう」とCFを利用した復興を決意した。

 原動力は、日本を代表する産地にまで成長させた先人の功績だ。旧長沼村史によると、養蚕が盛んだった地区は昔から水害に悩まされてきた。そこで明治中期に導入されたのが水害に強いとされるリンゴだった。何度も千曲川が氾濫する中で桑畑は壊滅的な被害を受けたが、リンゴの樹木は生き残り、地域の主要産業まで成長した。徳永さんは「今回も地域が団結すれば乗り越えられる」と強調する。

 CFで募った資金は若手農家や青果卸会社などと復興支援団体を設立するために使う。被災した農家の相談窓口の設置▽農地に堆積(たいせき)した泥を撤去する農業ボランティアのコーディネート▽農機具が浸水で破損したため、地域でモノを融通し合う「農機具シェアリング」の導入――などを展開する予定。CFは1口3000円からで、目標は1000万円。12月12日まで受け付けている。来秋、復活を果たしたリンゴなどを返礼品に充てるという。

 徳永さんは「皆さんの力をお借りし、復興につなげたい」と話す。CFは専用サイト(https://camp−fire.jp/projects/view/205630)から。

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