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広がる学園祭の禁酒化 国立大では7割に 事故、トラブル相次ぎ

長崎大の長大祭では運営委員会のメンバーがリストバンド式のアルコールパスを発行した=長崎市文教町で2019年11月2日午後2時55分、加藤小夜撮影

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 大学の学園祭の禁酒化が進んでいる。毎日新聞が今年度の国立大の状況を調査したところ、103学園祭のうち7割超の77学園祭で飲酒が禁止されていた。今年は「自由な学風」で知られる京都大も初の全面禁酒となるなど、学園祭からアルコールが消えつつある。

主な国立大学園祭の飲酒の可否

 「5杯までになっています」。今月2、3の両日、長崎市の長崎大で開かれた「長大祭(ちょうだいさい)」。学生による運営委員会が写真付き身分証明書で年齢を確認した上で、リストバンド式の「アルコールパス」を発行した。酒類の販売は事前に決めた構内5カ所のみで正午~午後8時(2日目は同7時まで)。1人1日5杯の制限があり、パスに印をつけて管理する。

 長崎大では2015年に飲酒によるトラブルがあり、16、17年は飲酒禁止に。昨年から試験的に販売が再開されたものの酒量などは制限されている。教育学部の男子学生(23)は「仕方ないかな」と話しつつ、「どれだけ飲めるのかは人それぞれなのに」と一律5杯の制限に残念そうな表情も見せた。

 毎日新聞は9~10月、全82国立大の大学当局や学生による運営組織にアンケート調査を実施。キャンパスごとなど複数回開催のケースもあり、80大学の計103学園祭について回答を得た。

 酒類の販売も持ち込みも認めず、飲酒禁止としていたのは60大学の77学園祭。飲酒による事故や事件の未然防止を理由に挙げる例が多かったが、「事故などが多発した」(北海道大、05年から)、「12年に飲酒による学生の死亡事故が発生し、11年には学園祭で飲酒した者が迷惑行為をした」(東京大駒場祭、12年から)など具体的な事故を受けて措置を取った学園祭もあった。

 このほか、販売は禁止だが持ち込みまでは規制しないのが岡山大津島祭など4大学4学園祭。長大祭のように酒量などを制限するのは17大学20学園祭で、販売量やアルコール度数、エリア、時間などに制限を設けていた。

 一方、制限なしは宮城教育大の大学祭と鳥取大の医学部錦祭の2大学2学園祭。ただ、地域の子どもの来場が多い宮城教育大では今年10月の大学祭で酒類を販売する団体はなかった。今月8~10日に開かれた錦祭は複数の部などが酒類を提供したが、「トラブルはなかった」(大学担当者)という。

 飲酒禁止の開始時期は、ここ10年(09年以降)が少なくとも19学園祭。「イッキ飲み防止連絡協議会」などによると、昨年までの10年間に飲酒による急性アルコール中毒などで死亡した学生は判明分だけで29人に上っており、重大事故が後を絶たない中で禁酒拡大が続いてきた。12年には文部科学省が飲酒に関する指導徹底を各大学に通知し、学生の自主性に委ねていた大学側が管理を強めだした流れもあるという。

 今月21~24日に開かれる京都大11月祭は初めて全面禁酒を打ち出した。過去3年で未成年を含む66件の泥酔が把握され、実行委は「安全な運営のために判断した」と話す。ただ部分禁酒案を大学側に突き返された経緯があり、実行委は「大学当局の介入の影響」もあったとしている。

 飲酒に関する調査研究に取り組む鳥取大医学部の尾崎米厚教授(公衆衛生学)は「未成年者も多く参加する学園祭で酒類の提供を制限するのは望ましいが、学生自治の観点からも大学側が過度に介入せず、学生が議論してルール作りをすることに意味がある。学園祭に限らず、アルコールで命が失われることがないような飲み方のルール作りを徹底してほしい」と話す。【加藤小夜】

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