「電車屋なのに、自転車操業」。そう言ってはばからず、自虐ネタを生かした商品開発やユニークな企画で経営危機に立ち向かう千葉県銚子市のローカル鉄道「銚子電鉄(銚電)」が、今度は映画製作に乗り出した。またしても切実な事情があるらしい。タイトルはズバリ、「電車を止めるな!」。【和田浩幸】
映画の舞台は銚電の車内。深刻な経営難を乗り越えようと同社がひねり出した「心霊電車」の企画に、すねに傷を持つ心霊アイドルや怪談師などが参加する。社員総出の演出もむなしく、「やらせ」がばれてしまうのだが、その後本物の心霊現象が起きて車内はパニックに――。
主に無名の役者を起用し、製作費約2000万円はクラウドファンディングや企業の協賛金などで賄う。文筆家の寺井広樹さんの原作を基に、社長の竹本勝紀さん(57)が自ら脚本に加わった。寺井さんといえば経営状態が「まずい」という自虐を込めたネーミングが話題となって、昨年8月から100万本以上を売り上げたスナック菓子「まずい棒」の考案者。夏休み恒例の「お化け屋敷電車」のプロデュースも手がけ、同社に欠かせないビジネスパートナーだ。
それにしても、タイトルから製作の裏側まで、あの作品にそっくりではないか。ホラーに見せかけたコメディー映画、昨年大ヒットした「カメラを止めるな!」(上田慎一郎監督)のことである。製作費300万円で30億円超の興行収入を記録した、あのヒット作にあやかりたいという映画ですか? 率直に疑念をぶつけると…
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