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研究現場は今

基礎研究基盤の揺らぎ、資金不足や就職難、高学歴ワーキングプアなど、研究現場を巡る問題は顕在化して久しいが、構造的な問題のため、効果的な解決策は見いだされていない。研究者・研究現場・学生はどう模索するのか。大学の町・京都から紹介する。

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研究現場は今

第1部 博士/7 企業勤務も一長一短 景気悪化で変わる形態 /京都

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「ノーベル賞の館」と呼ばれる京都大の旧石油化学教室本館。湯川秀樹さんや福井謙一さんもここで学んだ=京都市左京区で、菅沼舞撮影
「ノーベル賞の館」と呼ばれる京都大の旧石油化学教室本館。湯川秀樹さんや福井謙一さんもここで学んだ=京都市左京区で、菅沼舞撮影

 今年のノーベル賞では、リチウムイオン電池を開発した旭化成名誉フェローの吉野彰さん(71)の化学賞受賞が決まり、日本人のノーベル賞受賞者は吉野さんを含め27人(外国籍2人含む)となった。京都大出身の吉野さんは、アジア初のノーベル化学賞を受賞した福井謙一博士の孫弟子に当たる。修士課程修了後、旭化成で企業研究者として電池開発に取り組み、2005年に大阪大から博士号を取得した「論文博士」だ。

 博士号は学術研究の基礎的な能力を身につけた人に大学が与える最高の学位で、原則として修士課程を含め大学院に5年以上在籍した上で、博士論文の審査に合格すれば授与される。博士課程を経れば「課程博士」と呼ばれる。一方、「論文博士(論博(ろんぱく))」は日本独特の制度で、大学院に在籍しなくても大学院が実施する博士論文の審査に合格し、かつ博士課程を修了した場合と同等以上の学力を持つと判断された場合に与えられ…

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