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社説

日韓の軍事情報協定 失効させぬ努力最後まで

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 日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)が今週末に失効する恐れが出ている。両国の安全保障協力が損なわれかねない。

     韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は、エスパー米国防長官に「安保上、信頼できないという理由で輸出規制をした日本と軍事情報を共有するのは難しい」との見解を示した。原因は、日本にあると強調したものだ。

     韓国の各種世論調査によると、GSOMIAの破棄決定は賛成が反対を上回っている。日本による輸出規制は「不当」であり、対抗措置を取るのは当然だという考えが強い。

     輸出規制とGSOMIAは別の問題だとの日本の立場とは相いれない。文政権は破棄しても国民の理解は得られると判断しているようだ。

     だが、このまま失効させては損失が大きい。

     日本や米国は、維持するよう強く求めている。GSOMIAは、軍事当局者間の協力をスムーズにするだけではなく、日米韓3カ国が北朝鮮問題で一致して対応する姿を内外にアピールする枠組みだからだ。

     文政権は、北朝鮮との緊張緩和を通じて朝鮮半島に平和をもたらすことを目指す政策をとる。ただ、北朝鮮は非核化に向けた具体的な措置をとっておらず、韓国の融和姿勢は今のところ功を奏していない。

     にもかかわらず、韓国が協定を破棄してしまえば、日米韓の足並みが乱れているというメッセージを北朝鮮に送ることになってしまう。3カ国の連携を弱めたい中国を利することにもなろう。

     日本との安全保障協力に慎重だった韓国が、数年かけてようやく署名に至った協定である。失効した場合、再び締結するのは容易ではない。

     韓国の外交や安全保障の専門家らは、米韓同盟に悪影響を及ぼしてはならないと破棄決定の取り下げを訴えている。協定の維持に向け、最後まで努力を尽くすべきだ。

     菅義偉官房長官は、GSOMIAを通じて韓国から得られる情報は補完的だと説明する。とはいえ、北朝鮮の挑発行為に迅速に対応したり、深い分析をしたりするのに隣国の情報はプラスだろう。

     両国の間には、元徴用工問題をはじめ難題が山積している。解決のためには、対話を続けるほかない。

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