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潜伏キリシタンの「マリア」修復 法王にレプリカ贈呈へ 京都の会社

修復された「雪のサンタマリア」(上)と製作したレプリカを示す宇佐美直治社長=京都市左京区で2019年11月15日午前11時31分、矢倉健次撮影

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 江戸時代に長崎の潜伏キリシタンによって崇敬、保存されてきた絵画「雪のサンタマリア」が、美術工芸品の修復を手がける京都市左京区の宇佐美修徳堂(宇佐美直治社長)によって修復された。絵画を所蔵する「日本二十六聖人記念館」(長崎市)によると、来日するフランシスコ・ローマ法王が24日、同館前にある記念碑を訪れる際に鑑賞する可能性があり、同社で製作された精巧なレプリカが法王に贈られる。

 「雪のサンタマリア」は16世紀末~17世紀初頭、画家でもあったイタリア人のイエズス会宣教師のジョバンニ・コーラに西洋絵画を学んだ日本人が描いたとみられる。縦11・3センチ、横11・5センチの小さな絵で、隠し持つため縦28・1センチ、横21・8センチの掛け軸にされ、竹筒に入れて保存されてきた。

 遠藤周作の小説を基に禁教下の日本に潜入した宣教師の苦悩を描き、2016年に公開された映画「沈黙―サイレンス―」の中でも複製が使用され、映画の公開を前に法王に謁見したマーティン・スコセッシ監督がその写真を贈っている。

 専門家と協議の結果、しわの多さや汚れなども含めて全体を一つの作品とみるべきだとの結論に至った。経年劣化や損傷が進んでいたため、裏から薄い和紙や接着力の弱いのりで半年以上かけて補強。同時に、デジタル印刷に彩色し、しわなどの風合いもそっくりな複製品も製造した。宇佐美社長は「潜伏キリシタンが命を懸けて守った作品なので、思いを大切にして作業した。終わってほっとした」と話し、17日に同館へ納入した。

 修復を助言した京都市立芸術大の深谷訓子准教授(西洋美術史)は「作品は日本の西洋絵画がいったん断絶する前に日本人によって描かれた希少なもので、美術史、宗教史的にみて価値は高い。現状の安定化ができたことで、技術が進歩した将来、描かれた当時に近い状態に修復する可能性もある」と評価している。【矢倉健次】

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