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ニッポンへの発言

キーワード 力なき者たちの力=中森明夫

バーツラフ・ハベル=2002年

 まもなく師走だ。今年、読んで最も心に残った一冊を紹介したい。バーツラフ・ハベル著『力なき者たちの力』(阿部賢一訳、人文書院)である。ハベルはチェコスロバキア及びチェコ共和国の大統領だった。東欧の民主化(1989年)以後、2003年まで14年間にわたりその重責を果たした(11年死去)。劇作家でもある。冷戦下のチェコで反体制知識人として何度も逮捕・投獄された。創作の発表も禁じられた。本書もまた地下出版の形で広がり、読まれたものだ。

 77年、ヘルシンキ宣言に基づく人権擁護を求めて<憲章77>を起草、ハベルは国家に強い弾圧を受ける。翌78年に書かれた政治的エッセーが『力なき者たちの力』だ。同書の扉には<ヤン・パトチカの想い出に捧(ささ)げる>との献辞がある。哲学者パトチカは<憲章77>の起草者として8時間に及ぶ官憲の尋問を受けた翌日に、心臓発作で亡くなった。

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