「日本で問題起きた」反日批判で外務省急変 ウィーン美術展公認取り消し
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日本・オーストリアの友好150周年を記念し、ウィーンの美術館「ミュージアム・クオーター」で9月下旬から開かれている美術展「ジャパン・アンリミテッド」について、日本の外務省が先月末、記念事業としての公認を取り消した。展示作品は日本の首相や昭和天皇などを題材にしており、ツイッターなどで「反日」だと批判が出ていた。外務省は美術展開催から1カ月後に公認を撤回しており、美術家からは、展示内容の是非ではなく「国内で騒動になるのを恐れただけだ」と非難する声が上がっている。【ウィーン三木幸治】
「表現の不自由展」出展の2組参加、当初、外務省は「好意的」
美術展は日本やイタリアなどから18組の美術作家が参加し、今月24日まで開催。脅迫などによって一時展示が中止された国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」に出展した作家も2組参加している。
キュレーター(企画者)のマルチェロ・ファラベゴリ氏によると、今回の美術展では両国が友好150周年で関係が深まっている時期であることを考え、日本では通常、表現しにくいテーマを扱った作品を集めようと考えた。
在オーストリア日本大使館は、1月下旬に美術展を記念事業として認可。ファラベゴリ氏は7月30日に参加する美術家のリストを大使館に送ったが、特にクレームは出なかったという。美術展は9月26日に始まり、大使館員は前日のオープニングセレモニーに出席。別の大使館員は10月15日に実施された出品者らによるイベントと懇親会に出席し、「美術展に好意的だった」(ファラベゴリ氏)という。
「日本で問題が起こった」態度をひょう変させた外務省
大使館の態度が変わったのは10月下旬だ。日本国内の一部で美術展を「反日」だとする批判が出…
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