羽生九段が果敢な角切りで攻めきる 糸谷八段「仕方がない」
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最終戦だが、すでに羽生善治九段は残留が決まり、糸谷哲郎八段は陥落が決定している。来期に関係するのは羽生の順位で、敗れると4位からのスタートになるが、勝てば3位の可能性がある。今はそんなに差がないように思えるが、来期のリーグが始まると順位1枚の差が大きく感じられる。
とはいっても、特別対局室の隣で対局している広瀬章人竜王と藤井聡太七段の対局結果も関係して自力で結果に結び付けられるわけではない。その意味では結果を気にせず将棋に集中できる。
陥落が決まっている糸谷も同様で、のびのびと指せる。こんな対局では普段はあまり使わない作戦が出てきて面白い内容になることも多いのだが、本局もその期待にたがわなかった。【山村英樹】=▲が先手、△は後手
<第69期大阪王将杯王将戦リーグ7回戦>
2019年11月19日
持ち時間各4時間
場所・将棋会館
▲羽生善治九段(3勝2敗)
△糸谷哲郎八段(1勝4敗)
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △3二金
▲2五歩2 △8八角成 ▲同 銀 △2二銀
▲4八銀 △3三銀 ▲3六歩 △6二銀
▲3七銀 △6四歩 ▲6八玉 △6三銀
▲4六銀 △4四歩 ▲7八玉1 △4二飛
▲3七桂 △7四歩1(第1図)
隣の対局は挑戦者決定戦でもあり、藤井の最年少タイトル挑戦記録がかかっていて、対局開始を待つ報道陣が待ち受けていた。
その中で部屋に入ろうとした糸谷は「入っていいですか?」と笑顔で入室した。残念ながらこの日は最も注目される対局ではなくなってしまったが、大一番の隣で気が引き締まったことだろう。
後手番の糸谷は得意の一手損角換わりを採用。羽生も後手番ではこの戦法を採用して勝ち星を挙げている。両者ともに指し慣れた戦型で、序盤は速いスピードで進んだ。
第1図の△7四歩が「挑発的な手なのですが、指してみたかった」と糸谷。前述のように、のびのびと指している。先手から▲7五歩と位を取られるのを防いだ意味があるが、普通は金銀を動かして自陣の整備をするのを優先させるという。
第1図以下の指し手
▲5八金右 △7二金 ▲2六飛1 △5四銀
▲3五歩8 △4三銀 ▲3四歩24 △同銀右
▲5六角 △6三角17 ▲3六歩4 △4三銀15
▲7七銀1 △5四歩5 ▲6六歩2 △5二飛21
▲8八玉4 △5五歩 ▲6七角 △3四歩
▲7八金3 △6二玉12 ▲3五歩22 △5一飛9
▲3四歩13 △同銀右3 ▲6…
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