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余録

物語で開けてはならぬ箱が出てくれば…

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 物語で開けてはならぬ箱が出てくれば、必ず開けられる。代表格が禁忌(きんき)を破って開けられ、世界にあらゆる不幸と災いをまき散らしたというパンドラの箱だろう。手元に残ったのは希望というオチが利いている▲この話には別のバリエーションがあって、こちらは神々から贈られたつぼから飛び出したのは祝福や幸運だった。幸福は飛び去ったが、いつかまた手にできるとの希望だけが残ったのである。元の話はこちらだったともいわれている▲どうあれ開かれた未来への希望さえあれば人は生きてゆける。だがたとえ富や安定、安全が得られる場所であろうと、自らが選ぶ未来への希望のない逆パンドラ状態に人――とくに若者は耐えられない。香港から聞こえる叫びである▲覆面禁止法をめぐる香港高裁の「違憲」判断に中国側が異を唱え、香港司法への介入姿勢をあらわにした。親中派が主導権をとる行政・立法に加え、人権にとって死活的な司法でも介入が強まれば、「1国2制度」は有名無実(ゆうめいむじつ)となる▲おりしも米国上院はその1国2制度を検証するという「香港人権・民主主義法案」を可決、香港への圧力を強める中国をけん制した。成立には大統領の署名が必要で、香港の緊張は米中貿易協議とも連動し世界を揺るがすことになる▲中国の一党支配に閉ざされていく未来にいら立つ若者たちにも「希望」はどこかに潜んでいよう。中国の指導者らも、開くのを禁じられた箱にはいつか必ず開く者が現れるのを知らないわけではあるまい。

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