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第69期王将戦リーグ特選譜

164手の長手数の対局を制したのは久保九段 三浦九段は序盤で「混乱」

将棋会館玄関前にやってきた大阪王将のキッチンカー。王将戦リーグ最終局一斉対局の対局者6人分の昼食を調理し始めると、道場のある2階にまで、炒飯や餃子のおいしそうな匂いが漂っていた=東京都渋谷区の将棋会館で2019年11月19日、丸山進撮影

 三浦弘行九段は、結果的に挑戦者となった広瀬章人竜王に土をつけた。前王将の久保利明九段は糸谷哲郎八段に快勝した。だが、ともにその1勝だけで4敗を喫し、本局の前に陥落が決まっている。

 「消化試合」の表現がよく使われるが、このクラスになると一局一局が大切なものになる。挑戦者決定戦の広瀬―藤井戦より終局時刻が遅くなり、今期王将戦リーグを締めくくるにふさわしい熱戦となった。【山村英樹】=▲が先手、△は後手

<第69期大阪王将杯王将戦リーグ7回戦>

2019年11月19日

持ち時間各4時間

場所・将棋会館

▲三浦弘行九段(1勝4敗)

△久保利明九段(1勝4敗)

▲2六歩 △3四歩 ▲7六歩 △4四歩

▲4八銀 △9四歩 ▲6八玉1 △9五歩

▲7八玉1 △3二銀  ▲5八金右 △4三銀

▲7七角7 △5四銀2 ▲5六歩22 △6五銀2

▲2五歩2 △3三角1 ▲6八角4 △2二飛3

▲3六歩2 △3二金14 ▲3五歩4 △同 歩1

▲3八飛 △5六銀5 ▲3五飛2 △4五銀

▲3四歩9 △4二角1 ▲7七角5 △5四銀14

▲4六歩8 △1二飛2 ▲3七桂7 △6二玉1

▲4四角34 △4三銀12 ▲6六角18 △3三歩7

▲2四歩  △3四銀6 ▲2三歩成21 △同 銀3(第1図)

 久保と言えば振り飛車だが、本局はなかなか飛の位置を決めずに左銀の進出を急いだ。やっと飛が動いたのは20手目。向かい飛車で戦うことになったが、積極的な銀の進出のため、もはや普通の将棋ではなくなっている。

 結局、銀は5六の歩を取って撤退した。久保の当初の予定通りかと言えば、おそらく違うだろう。第1図の局面を見ると、銀の往復に費やした手数があるため陣形に大きな差ができた。飛は1二に移り、左の桂香は使えそうもない形になっている。「さばきのアーティスト、さばけずか」と控室では三浦有利を示す判断になっていた。

 実際、ここでは三浦のチャンスだったという。

 第1図以下の指し手

▲2五飛5 △2二飛12 ▲4五歩  △4三歩12

▲4四歩6 △同 歩 ▲同 角3 △7二玉1

▲6六角  △5四歩  ▲4四歩2 △6四角2

▲5五歩2 △4三歩9 ▲5四歩14 △4四歩

▲4五歩  △同 歩13 ▲同 桂10 △5二歩31

▲5三歩成 △同 歩 ▲3四歩  △同 銀6

▲2二飛成 △同 金 ▲4二飛  △5二飛

▲4一飛成 △5一金10 ▲3一竜1 △6二銀1

▲3三桂成4 △同 桂 ▲1一竜1 △1九角成3(第2図)

 局後の検討で三浦が示した本局のポイントは第1図の局面だった。

 ここで▲2四歩と打ち、△同銀▲8五飛△7二玉▲2五歩△1五銀▲1六歩△2六銀▲2四歩と進めれば、銀の進退が難しく優位を拡大できたという。

 三浦は対局中にこの順を逃したことに気づき、それを引きずってしまった。その後も悪くないという感触を持ちながらも、前述の順に比べると劣ることと判断してしまい、「混乱してしまった」という。

 実際は三浦ややよしか、いい勝負。久保はどこまでいっても大変と感じていたそうだ。

 ▲3一竜で、先に▲3三桂成として、△4一金で飛は取られるが、▲3四成桂で銀を取…

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山村英樹

1981年入社。青森支局を経て1986年から東京学芸部で囲碁将棋などを担当。

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