被爆した浦上天主堂を描いた画家「教皇に見てほしい…」訪日目前、願いかなわず
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長崎原爆で倒壊し、解体が迫る当時の浦上天主堂(長崎市本尾町)の姿を描き残した被爆者がいた。同市の画家、一瀬比郎(ひろう)さん(享年85)。傷ついた天主堂に核廃絶への思いを託した作品を、被爆地を訪問するフランシスコ・ローマ教皇に見せたいと願ったが、今月2日に息を引き取った。
国民学校6年で11歳だった一瀬さんは1945年8月9日、爆心地から約2・5キロのカボチャ畑で原爆の閃光(せんこう)を見た。大きなけがはなかったが、湧き上がった原子雲から落ちる「黒い雨」を浴びた。生前、被爆体験をあまり語らなかったが、妻葉子さん(73)には「(黒い雨は)ベタベタしてとれなかった。長崎駅前では馬が死んでいた」と回想した。
かつて「東洋一の大聖堂」とうたわれた天主堂を描いたのは、看板屋のアルバイトをしていた24歳の頃。57年12月、爆心地から約500メートルで倒壊した天主堂が、再建に向け解体されるとの新聞記事を読んだのがきっかけだった。一瀬さんには崩れた赤れんがの壁が、傷ついた被爆者に重なって見え「私が残さなければ」と決意した。
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