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よみがえる田中正造

死の川に抗して/4 旧宅で会えた重要人物=中村紀雄 /群馬

 明治天皇の命を狙ったとされる大逆事件で処刑された幸徳秋水(1871~1911年)が、田中正造に頼まれ天皇への直訴状を書いたという事実は、正造の活動の広さをうかがわせた。また正造が単に蛮勇の男でないことを暗示させ、かつ私の鉱毒事件に対する想像力をかき立てるものであった。

 かくして私は、栃木県佐野市小中町にある田中正造旧宅に向かったのである。上武道路から北関東自動車道に入り、渡良瀬川を越える。視野の中にのどかな川の景色が広がる。田中正造に関心を深める前と後ではこの川の様子も異なって映る。荒れた死神という川の面影はない。流原(いずるはら)の先の佐野田沼インターチェンジで高速を降りると20分足らずで県道沿いの田中正造旧宅に着いた。県道を隔てて北に旧宅が、そして南に正造を祭る社がある。社に車を止めると、目の前に墓碑があり、その「義人田中正造君碑」の文字は正造の友人であり衆議院議員でもあった横浜毎日新聞社長の島田三郎(1852~1923年)のものであった。栃木県に入って早々に、私が関心を寄せる重要人物の島田三郎に会えたのだ。日本最古の日刊日本語新聞である横浜毎日新聞は、廃娼(はいしょう)問題でもそうだったが、鉱毒問題にも…

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