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平成の日本政・官界を取材してきた伊藤智永専門編集委員が担当するコラム。

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ウナギとお米の関係=青野由利

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 島根県の宍道湖で1990年代にウナギやワカサギが急に取れなくなった。これはネオニコチノイド系農薬が原因である可能性が高い、という論文が今月、米サイエンス誌に載っていた。

 ネオニコ系農薬といえばミツバチ大量死の重要容疑者である。欧州は3種類の野外使用を禁止している。標的は昆虫なのにウナギも? 気になる内容だ。

 宍道湖では80年代から水質や生物の調査が行われてきた。産業技術総合研究所の山室真澄さんらの研究チームはこれらを総合的に分析。93年に湖周辺の水田などでネオニコ系農薬の使用が開始された直後から、オオユスリカや動物プランクトンが一気に減少、時を同じくしてウナギやワカサギの漁獲量も激減、という関係性を突き止めた。

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