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社説

福井県幹部も金品受領 原発自治体に不信深まる

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 不適切な癒着が行政組織にまで拡大した。原発立地自治体としての信頼を失いかねない。

 関西電力幹部に多額の金品を贈っていた福井県高浜町の森山栄治元助役(故人)から、福井県の幹部職員やOB計109人も現金や贈り物を受け取っていた。関電問題を受けた県の調査でわかった。

 受領額は最大で1人20万円相当に達し、県は29人のケースについて儀礼の範囲を超えることなどを理由に処分に相当すると判断した。

 森山氏は就任祝いや餞別(せんべつ)などの形で長年にわたり多くの職員に贈り物攻勢をかけ、これが常態化していた。関電と同じ構図である。

 戒告処分を受けた男性職員は、商品券と10万円相当の純金小判を受け取っていた。公務員にこんな贈答が行われていたことに驚く。

 深刻なのは自浄作用が県庁内で働かなかったことだ。関電問題にあたり杉本達治知事は「言語道断」と批判したが、その傍らで多くの職員が金品を受領していたわけだ。

 職員らは調査に「県の客員人権研究員を長年務めた森山氏に失礼があってはならないと思った」などと説明した。関電と同様、まるで被害者であるかのような釈明である。

 森山氏は関電の原発関連事業を受注する「吉田開発」の顧問で、多額の手数料も受け取っていた。同社は県の事業も受注している。

 調査は、森山氏に便宜を図った事実は確認されなかったとしたが、受領した幹部は今回の調査対象の約3割にも及ぶ。県庁全体に「にらみ」をきかせる狙いは否定できまい。

 県内に多数の原発がある福井県は再稼働の同意権限を持つ。高浜原発では、原則40年の運転を延長して再稼働を目指す1、2号機をめぐる対応が注目されている。原発事業に深く関与していた森山氏と不適切な関係を持った体質を残していては、公正さに疑問符がつく。

 調査は県の顧問弁護士による調査委員会が担当した。職員の自己申告で、どこまで実態が解明されたかは疑問だ。早急に第三者機関を発足させ、再調査を実施する必要がある。

 今回の不祥事の多くは杉本氏の前任、西川一誠氏が知事の時に起きた。西川氏は森山氏との関係の有無などを記者会見などで説明すべきだ。

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