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今週の本棚

『房思琪の初恋の楽園』=林奕含・著、泉京鹿・訳

 (白水社・2200円)

 読む前は、初恋というタイトルや、その対極の「少女が塾教師にレイプされた」というあらすじに、よそよそしい気持ちでいた。「実話をもとにした小説」というだけあって、いずれにせよ、作者の自意識にあふれた物語だろうと思ったからだ。

 作品に満ちていたのは、痛みだった。注射をしているとき、いつの間にか息をとめているように、読みながら体がこわばっていた。

 台湾・高雄に住む房思琪は13歳のとき、憧れていた国語教師に言葉と暴力でからめとられ、その関係は彼女が精神に異常をきたすまで続く。思琪に親友の怡婷(イーティン)、夫からDVを受ける伊紋(イーウェン)。文学を愛する3人の、日々の小さな(そして大きな意味を持つ)できごとを詳細に語ることで、痛みが重みを持ち始める。

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