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縁の下の誇り

決断 トップの責務=渡辺守成

 

 国際オリンピック委員会(IOC)は来夏の東京五輪のマラソンを札幌で開催することに決めた。本番に向けて準備を重ねてきた選手や関係者、沿道での観戦を楽しみにしてきた人々の憤りや当惑は当然だと思う一方、トーマス・バッハ会長の決断も組織のトップとして理解できる。

 今回の決定で思い出した出来事がある。2001年9月11日に米国で発生した同時多発テロ後の対応だ。翌月には新体操、体操の世界選手権がそれぞれ欧州で控えていた。私は当時、日本体操協会の常務理事だったが、選手の安全確保を最優先として派遣中止を強く進言した。テロに伴う情勢不安が拭えないためだ。

 当時、選手からは出場を求める会長宛ての嘆願書が提出され、選手やコーチ、その家族らを集めて話し合いを行った。代表メンバーの中にはアテネ五輪男子団体金メダルの米田功選手(現日本協会常務理事)らがいた。米田選手からは「どうして出場できないのか」と悲痛な声で訴えられたが、私の考えは「安全が確保されない以上、派遣はしない」と一貫していた。

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