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台風19号で三島・御園地区浸水 松毛川の治水対策遅れ 事業公表、上陸2日前 県、沼津市との調整難航 /静岡

上空からの松毛川(中央)の様子。川の外側が三島市、内側が沼津市=静岡県三島市提供

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台風19号の影響で道路(写真右から左に通る)にあふれたごみを掃除する住民=静岡県三島市御園で10月13日

 10月の台風19号の豪雨で、三島市と沼津市の市境にある松毛川があふれ、三島市の御園地区が浸水した。住宅街の三島側は川底の土砂をさらう治水対策を長年求めてきたが、対策を含む事業計画を県が公表したのは、台風上陸の2日前だった。農地が広がる沼津側の対応が消極的だったとの指摘もあり、三島側の住民からは「もっと早く対策が必要だったのでは」との声が上がっている。【垂水友里香】

 松毛川は狩野川の止水域で、狩野川本流から分かれて三日月状に三島市と沼津市の間を通っている。三島市などによると、農業や生活に伴う排水が流れ込み、川底に泥がたまっていたとされる。

 県が、松毛川と三島市を流れる大溝川の水環境整備事業の実施を公表したのは10月10日。大溝川沿いに6カ所のポケットパークを整備し、松毛川の底の土砂を約700メートルにわたってさらい、その土砂を使って護岸を整備する内容。事業費は国と県約4億円、三島市約1億2400万円、沼津市約980万円で、今年度から測量が始まる予定だった。

 だが、台風19号は10月12日に伊豆半島に上陸。松毛川があふれ、御園地区の4棟が床下浸水し、工業団地も水につかった。

 三島市議会では2012年、当時の市議が松毛川の治水対策を取り上げて問題提起しており、御園町内会も14年から少なくとも3回、川底の土砂をさらう浚渫(しゅんせつ)を求める要望を市に提出している。

 一方、毎日新聞の情報公開請求に三島市が開示した水環境整備事業の資料からは、浚渫を巡り調整が難航した状況がうかがえる。

 14年7月と11月の県、三島、沼津両市の3者協議で、三島市が「浚渫には莫大(ばくだい)な費用がかかる。国の支援を受けて、県と両市での取り組みができるか」と提案。大雨により御園地区で実際に冠水被害が出ていることも報告された。

 県は、国の補助金を活用するため当初「湛水防除事業」としての浚渫を目指したが、要件が合わず断念。その後、景観形成を組み込むことを条件とする「地域用水環境整備事業」としての実施を目指した。この場合、浚渫で出た土を利用することが必須となる。

 だが、浚渫土による堤や公園造成について、沼津側の地権者の合意が得られないことなどを理由に、県が今年1月に「事業採択が困難」と延期を報告。県は、沼津側のみだった浚渫土の盛り土を三島側にも行うなど整備内容を変更し、7月になって「沼津市(市長)の了解が得られた」(県)として事業が動き出した。

 県は「浚渫の実施にどう対応していくか現場の状況を検討しており、関係機関との協議に時間がかかった」と説明する。沼津市は「沼津側は畑のみで、限られた予算の中で市民の理解が得られるか検討が必要だった」とする。

 御園町内会の遠藤正幸会長(70)は「狩野川級の台風がまたいつくるかも分からない。早急に対策を取ってほしい」と訴える。台風19号で浸水被害に遭った男性(87)は「怖い思いをした。もっと早く着手してくれていれば」と肩を落とす。

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