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 江戸時代に「南総里見八犬伝」という物語があった。「敵の首をもってきたら娘をやる」という約束をしてしまったがために、娘の伏姫は飼い犬の八房と共に山に入り、八房の気を受けて胎内から出現した八つの玉が8人の剣士になる。同じころ、東北には「おしら様伝説」があった。ある娘が馬と恋に落ちたが、父親が馬を殺して皮をはいだ。その皮が娘を包んで飛び去り、やがて繭となって糸を吐き出したという、生糸の出現譚(たん)である。

 異類婚姻譚というジャンルに分類されるこれらの物語は物語でしかないと思っていた。しかし今年度の開高健…

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