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在宅の避難者、支援の隙間に 見守りの目届かず 長野市の一部で3割も

ボランティアの男性から炊き出しの野菜カレーを受け取る被災者。1階が浸水被害に遭ったが、犬と暮らしているため自宅で生活を続けているという=長野市で2019年11月12日午後1時36分、竹内紀臣撮影

 10月の台風19、21号の影響で、浸水などの被害を受けた家屋は31都道府県で8万棟を超える。被災地では避難所が設けられているが、「プライバシーがない」などの理由で浸水した自宅で生活を続ける「在宅避難者」については、自治体の多くは人数を把握できておらず、具体的な支援策も決まっていない。【島袋太輔、渡部直樹、藤田花】

 「こんにちは! 炊き出しの野菜カレーを持ってきました。体を温めてください」

 12日昼過ぎ、NPO法人「レスキューストックヤード」(名古屋市)の職員らが長野市豊野地区の在宅避難者の自宅を回り、昼食を届けていた。台所が浸水して使えなくなり、パンなど冷たい食事を取らざるを得ない高齢者の健康をケアしている。加えて、避難生活の相談にも応じながら必要な支援情報も提供。「情報難民」になりやすい高齢者の救済につなげる。

 80歳の妻と2人暮らしの八田一さん(85)は、足腰も弱り階段の上り下りが負担になっている。避難所は他人に気を使うといい、浸水を免れた2階で生活を続ける。八田さんは「昼食は菓子パンの予定だったけど、温かい食べ物を口にできてうれしい。体が温まるし、野菜がたくさんで健康にもいい」と喜んだ。

 リンゴ畑が広がり住宅が点在する豊野地区は、北陸新幹線の車両が水没した地区に隣接する。約3キロ離れた千曲川の堤防が決壊したほか、地区内を流れる浅川も氾濫し、全世帯の2割超の823世帯が浸水した。

 豊野地区では、家屋が被害を受けた人の約3割が在宅避難者になっているとのデータもある。同NPOは10月29日~11月4日、同地区で炊き出しを利用した人を対象に聞き取り調査を行い、110世帯から回答を集めた。90世帯が床上浸水し、残りはスーパーが浸水して買い物ができなかったり、停電や断水で調理ができなかったりしていた。

 110世帯のうち、在宅避難者は30世帯(27%)を占め、親戚や知人宅に身を寄せる被災者も42世帯(38%)あった。一方、避難所に入っているのは14世帯(13%)だった。自宅で使えない設備は、台所75世帯▽電気26世帯▽トイレ31世帯▽風呂19世帯▽水道7世帯――だった。

 在宅や知人宅に身を寄せるなど、行政やボランティアの見守りの目が届きにくい被災者は6割超に上る。調査からは、温かい食事が作れず栄養バランスが課題になり、トイレや洗濯、入浴がままならない現状が浮かぶ。

 避難生活が長引くにつれて懸念されるのが、緊急の支援は必要ではないが、生活に支障がある「ハイリスク予備軍」の存在だ。行政の手が届きにくいとされ、ボランティアや地域で…

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