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須磨海浜水族園、民営化で小中生入場料3倍超え 市民「高過ぎ」署名活動

新料金などの見直しを求める署名を神戸市に提出する「須磨水族園を考える会」の大竹奈緒子代表(右端)ら=同市中央区で2019年11月22日午後5時57分、反橋希美撮影

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 神戸市立の水族館「須磨海浜水族園」(神戸市須磨区)が民営化されることになり、導入予定の新入場料に市民から「高過ぎる」と批判が出ている。小中学生は現行の500円から4倍近くの1800円。各年代で大幅値上げとなる。市が交渉している企業事業体は周辺一帯を「リゾートパーク」として開発する計画で、その整備費用が入場料に転嫁されるためだ。反発する市民は「教育施設なのに子どもたちが行けない」と見直しを求める署名活動を始めた。

 「スマスイ」の愛称で親しまれる同園は1957年に「須磨水族館」として開業し、当時は「東洋一の水族館」とも言われた。しかし、老朽化が進み、修繕の費用が多額になると見込まれたため、市は2017年に民設民営方式での建て替えを決定。周辺の公園や宿泊施設も含めて再整備を委ねることにし、公募の結果、今年9月にサンケイビル(東京都)など7社による共同事業体を優先交渉権者に決めた。

 事業体が9月に公表した計画では、スマスイと周辺の約10万平方メートルに約370億円をかけ、西日本で唯一シャチが見られる水族館▽イルカと触れ合えるプール付きホテル▽子育て支援施設を備えた松林の公園――などを整備。水族館とホテルは24年の開業を目指す。開業時の水族館の総水量は現在の約3倍の約1万5000トンとなり、サンケイビルによると全国5位の規模。年間の入場者数は18年度の110万人に対し、開業時の24年度は250万人、25年度以降は平均200万人を予想する。

リニューアル後の新しい水族館のイメージ=神戸市提供

 波紋を広げたのは、計画と同時に示された水族館の入場料の案だった。リニューアル後、高校生以上は3100円(現行は18歳以上1300円、15~17歳800円)▽小中学生1800円(現行、500円)▽4~6歳1800円(現行、未就学児は無料)――などと設定。市が周辺自治体などと共同で発行し、小中生が公共施設などを無料で利用できる「のびのびパスポート」の対象施設からも外れる。

 小中生の入場料は、海遊館(大阪市)が1200円、京都水族館(京都市)が1000円で、これらと比較すると明らかに高額。シャチが見られる施設に限っても、鴨川シーワールド(千葉県鴨川市)の1800円と同水準で、公益財団法人が運営する名古屋港水族館(名古屋市)の1010円より割高だ。

 現時点で詳細な収支計画は明らかにされていないが、新料金案について神戸市は「民設民営になれば初期投資を含めて回収する必要があり、料金が上がるのが当然」と理解を示す。市内に住む小中生以下は、年1回に限って市が一部費用を負担して現行の入場料とするため、「民間が運営する他の同規模の水族館と比べて、地元に配慮した価格設定」と容認する姿勢だ。

民営化で一帯を含めた再整備が計画されている神戸市立須磨海浜水族園=神戸市須磨区で2019年11月25日午前9時57分、反橋希美撮影

 一方、高過ぎる料金に反発した市民有志は「須磨水族園を考える会」を発足させ、「教育施設からレジャー施設への転換で、住民の意向が無視されている」として10月下旬に署名運動をスタートさせた。11月22日には1次集約した7031人分を市に提出。4~9歳の子ども3人と毎月通っているという看護師の大竹奈緒子代表(45)=神戸市垂水区=は「新しい水族館は家族5人で行くと1回1万円を超える。子育て世帯に身近な施設を奪わないでほしい」と訴える。

 神戸市は観光客誘致の都市間競争に出遅れていることもあり、新しい「スマスイ」を訪日外国人を含めた観光の核と位置付ける。久元喜造市長は11月下旬にあった定例記者会見で、「市民の気持ちは分かるが、日本を代表する大都市として集客力のある施設を整備するのは重要だ」と強調した。

 市は12月初旬に計画を認定し、企業事業体と協定書を締結したい考えで、署名活動に対しては静観の構えを見せる。市観光企画課は「市民デーなど利用しやすい料金プランを引き続き協議したい」としている。【反橋希美】

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