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舞台縦横ときどきナナメ

KUNIO15「グリークス」 戦争責任は誰に? 現代の観客のため再構成されたギリシャ悲劇

アガメムノンの天宮良=井上嘉和撮影

 戦争の理由はいろいろある。民族や宗教の対立、侵略、民主主義の防衛、対テロなど。もちろん、戦争なんてない方がいいに決まっている。それでも、正当化するために、支配者(為政者)はいくらでも理由を挙げるだろう。

 約2500年前に書かれたギリシャ悲劇に描かれるのが、小アジアの国トロイアとギリシャ連合軍によるトロイア戦争だ。その発端は、「3人の女神の中で誰が一番きれいか?」という、いわゆる「パリスの審判」とされる。その一方で見えてくるのが、トロイアの豊かな富だ。

 この戦争の責任は誰にあるのか? 人間とは? 家族とは? ギリシャ悲劇は、そんな普遍的な問いを投げかけてくる。今も愛され、なお上演され続けるのは、人間も社会も少しも変わっていないということの表れだろう。

 とはいえ、ギリシャ悲劇には、やはりとっつきにくい感がつきまとう。そんなエウリピデス、ホメロス、アイスキュロス、ソフォクレスによって書かれたトロイア戦争に絡む悲劇10本をベースに、ジョン・バートンとケネス・カバンダーが現代の観客のために再構成したのが「グリークス」だ。

 KAAT神奈川芸術劇場とKUNIOが共同製作したKUNIO15「グリークス」は、神と戦争と人間を巡る物語をギュッと約10時間に凝縮して、スピーディーに展開される。注目の若手演出家、杉原邦生が挑んでいる(小沢英実訳)。

 1980年に英国で初演。日本では、鵜山仁演出の文学座、…

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濱田元子

1989年10月入社。大阪本社学芸部などを経て、2010年から東京本社学芸部。18年から論説委員兼務。担当分野は現代演劇と演芸。年間350本以上の舞台を鑑賞。毎日新聞東京本社夕刊で毎月第4木曜にコラム「日々是・感劇」を連載中。共著に「春風亭一之輔 落語のたくり帖」(自由国民社)。

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