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弁護士コンビが「M-1」1回戦突破 「司法試験よりも難関だった」

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カラオケ店で漫才を練習する安井一大さん(右)と坂井活広さん=名古屋市千種区で2019年11月22日午後3時1分、川瀬慎一朗撮影

 愛知県弁護士会に、お笑いコンビを組む弁護士がいる。コンビ名は「さかいやすい法律事務所」。坂井活広さん(36)=愛知県長久手市=と安井一大さん(34)=名古屋市千種区=が3年前にコンビを組み、今年は若手漫才日本一を決める「M―1グランプリ」で悲願の1回戦突破を果たした。2人は「ネタ作りは裁判所に提出する書面作りくらい気を使っている」と話す。

     坂井さんは高校から校内でコンビを組んで学園祭などで披露し、高校3年時には始まったばかりのM―1に出場。1回戦で敗退したが、その際に観客から「面白かった」と声をかけられたことがうれしくて、高校卒業後は相方と吉本興業の養成所に入りプロを目指した。しかし、1年後の卒業オーディションで落ちてコンビは解消、吉本もやめたという。その後、大学を経て弁護士になった。

     安井さんは同志社大学在学中、俳優の生瀬勝久さんらも所属したお笑いサークルに入り、弁護士を目指しながらお笑いに打ち込んだ。先輩には芸人のカズレーザーさん、同期にはお笑いコンビ「さらば青春の光」の東ブクロさんもいたという。

     2人は2016年7月、先輩弁護士から弁護士会のイベントで漫才を披露するよう勧められたことがきっかけでコンビを結成。坂井さんは乗り気ではなかったというが、舞台に立つと「すごく受けて、この感覚は気持ちがいいと思い出した」という。

     練習場所は鏡のある名古屋市内のカラオケ店。仕事後の約3時間、身ぶりを確認しながら行う。M―1前には週3回練習したという。ネタは弁護士に関するもので、ネタ担当の安井さんは「弁護士の品位を害さないよう気をつけている」という。

     17年の初出場時には事前の準備を怠り「完全に滑った」(安井さん)。翌年は出場しなかったが、他の芸人のライブを見て「計画して真剣に打ち込めば上にいけるかも」と再出場を決意。今回はキャラクター作りや言い回しをよく練り、安井さんはだて眼鏡に七三分けで弁護士らしく、坂井さんはカラーシャツのフランクな弁護士とキャラを際立たせた。

     名古屋会場で9月22日に行われた1回戦では、狙い通りに笑いがとれて無事通過。プロも含めた同会場のエントリー212組中、1回戦突破はわずか32組(約15%)で「司法試験よりも難関だった」と笑う。東京での2回戦は「そこそこ受けた」ものの敗退した。

     次の目標は3回戦進出。「頭一つ抜けるには場数を踏むしかない」と考え、市内で月1回開かれるお笑いライブへの出場を検討している。また、少年院などの更生施設で公演し更生の一助になることも望む。2人は「お笑いを通じて、弁護士をもっと身近に感じてほしい」と意気込んでいる。【川瀬慎一朗】

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