ぶんかのミカタ ユニバーサルミュージアムの今/下 「触る作品」を自分ごととして=桑田知明

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 ◆グラフィックデザイナー・桑田知明

 今この寒くなりつつある時期に、皆さんに春の暖かなイメージを想像してもらうとしよう。皮膚で感じる暖かい日差しや、目で見る新緑の色味であったり、口で感じるおいしい花見団子だったり、記憶を頼りとしたイメージは多種多様だろう。視覚情報を得る時も、同時に私たちはたくさんの記憶や感覚を総動員してイメージを形成しているのだ。

 私は視覚と触覚の両者ありきで成り立つ、触る作品の制作を行ってきた。視覚的には何が起きるのか分からなくても、触ると物語が展開する本がその一つだ。作品づくりを続ける理由は、グラフィックデザイナーである私が、視覚優位な分野にいながら、それを頼りとしないことに取り組むことに意味があると思っているからだ。

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