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イラクで10月から続く大規模な反政府デモを受け、アブドルマハディ首相は29日、辞任する意向を表明した。だがデモ隊と治安当局の衝突は激化し、ロイター通信によると同日までに既に400人が死亡したとされており、今回の辞任表明でデモが沈静化する見通しは立っていない。
イラク国内で多数派を占めるイスラム教シーア派の最高権威シスタニ師が同日、混乱の沈静化を強く促したため、これを受けて首相が責任を取った格好だ。首相は声明で「早期の事態収拾のため、国会に辞表を提出する」と述べ、最終的な判断を国会に委ねた。一方で首相は辞任の正式な時期を明らかにしておらず、後継者選びが順調に進むかも不透明だ。
一連のデモは当初、政府の汚職体質や失業深刻化に抗議する若者らが首都バグダッドで10月1日に開始した。だが次第にイラク政府に影響力を持つ隣国イランへの反発にも拡大。イラクの石油資源が生み出す富が国民に行き渡らず、「腐敗した親イランの政治家が私腹を肥やしている」と考えるデモ隊が「イランは出ていけ」とのスローガンを叫ぶようになり、デモは「反イラン」の様相も呈し始めた。
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