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乳がん経験の女将が大浴場を貸し切る日 「励まし合う場に」嬉野温泉

患者らの話に耳を傾ける北川さん(左)=佐賀県嬉野市で2019年11月、竹林静撮影

 乳がんのため乳房の摘出手術を受けた患者は、手術痕が気になって「温泉に行けない」などと悩む人が少なくない。患者に周囲の目を気にせず温泉につかってもらおうと、美肌の湯で知られる佐賀・嬉野温泉の女将が大浴場を貸し切る日がある。自身も乳がんを患(わずら)った女将らが「少しでも不安や悩みが和らぐ機会になれば」ともてなしている。

 温泉を貸し切るイベント「ほっとマンマ」は同県嬉野市が主催し、嬉野温泉街の女将でつくる「女将の会」の協力で17回目を迎えた。女将たちが横のつながりを生かし、各旅館の持ち回りで開催。患者らは入浴前、乳がんについて語り合い、小物作りのワークショップをしたり、フラダンスをしたりして交流する。

 11月中旬、嬉野温泉「茶心の宿 和楽園」には乳がん患者ら約15人が集まった。「抗がん剤治療の副作用で足が動かしにくかった」「入院中は食事しか楽しみがなかった」という体験談から、「今は漬物を作るのが楽しみ」といった趣味の話まで話題は多岐にわたる。「女将の会」代表の北川節子さん(60)は自身の乳がん経験を交えて語り、患者の言葉に耳を傾けた。

 北川さんは、1830年創業の老舗旅館・大村屋の跡継ぎとなる夫と結婚し、24歳で若女将となった。11年前、乳房のしこりを自分で見つけ、早期の乳がんと診断された。抗がん剤治療と放射線治療で、出産のとき以来の入院生活を送った。治療の副作用で髪が抜けたが、医療用ウイッグをつけて旅館に立ち続けた。

 北川さんは闘病中も会の女将らに支えられ、自分の「居場所」があると感じたという。「乳がんで手術をした後は、どうしても家のお風呂ばかりになってしまう。その場の幸せを感じられるような時間をつくり、みんなで励まし合いたい。『ほっとマンマ』もこのまま細く長く続けたい」とほほ笑んだ。【竹林静】…

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