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新国立競技場、年十数億円赤字も だれも「手を挙げない」民営化先送り

引き渡しの日を迎えた国立競技場=2019年11月30日午前6時44分、本社ヘリから

 1964年東京五輪の舞台となった旧国立競技場の建て替え調査から8年。2020年東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場が11月30日完成した。当初計画の白紙撤回を経て再始動する「スポーツの聖地」に、夢とレガシー(遺産)はあるのか。【浅妻博之、松本晃、円谷美晶】

 「いつ赤字を覚悟するのか。とりあえず五輪後だ」。大会関係者は声を潜める。

 新国立の民営化計画が進まないのは、年間24億円とされる維持管理費が重くのしかかるためだ。旧国立の維持管理費は約8億円で、修繕費を計上した最後の11年収支を見ると、約140日稼働して約3億円の赤字。単純計算すると、新国立は年十数億円の赤字も予想される。当初計画の白紙撤回で事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)の運営能力が疑問視され、国は民営化で赤字削減をもくろんでいた。

 ところが、である。萩生田光一文部科学相は19日、年内に決定予定の民営化計画策定を1年先送りすると表明。大会の警備上の都合で詳細な図面を開示できず、民間事業者側から採算性など判断できないと意見が出たためとした。これは表向きな理由に過ぎず、政府関係者は「今のままでは手を挙げるところがない」と明かす。

 運営を担う民間事業者は現れるのか。スタジアムの後利用を研究する小松史郎元東京都市大教授は「屋根がつけば手を挙げるところが出てくるかもしれない」と指摘する。高収益のコンサートを天候や騒音…

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