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ポスト「冷戦後」のかたち

1989年12月3日、米ソ首脳はマルタ会談で冷戦終結を宣言した。あれから30年。米国を中心とする西側が築いたはずの国際秩序は揺らぎ、新たな対立や分断が生まれている。混沌(こんとん)としたこの冷戦後の時代のその後(ポスト)に、私たちを待ち受けているのはどんな世界なのか。

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ポスト「冷戦後」のかたち

社会主義、若者に浸透(その2止) 格差拡大、米を分断

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DSAのメンバーとして活動するエスカランテさん=米ニューヨークで2019年11月25日
DSAのメンバーとして活動するエスカランテさん=米ニューヨークで2019年11月25日

 

27歳「生き残るため働く」

 「若い有権者はなぜ民主的社会主義を選ぶのか」(ニューヨーク・タイムズ)。「いつの間にみんな社会主義者になったのか」(ニューヨーク・マガジン)。今の米メディアで「社会主義」の見出しが躍るのは珍しいことではない。

 米国で社会主義に傾倒する若者の多くが加入するのが、全米最大の社会主義政治団体「米国の民主的社会主義者」(DSA)だ。来年の大統領選に向け、公立大学の学費無料化や公的国民皆保険を訴え、民主党候補選びに名乗りを上げているバーニー・サンダース上院議員を支持。その会員は前回大統領選の2016年秋の約5000人から約6万人にまで膨らんでいる。

 米ジョージタウン大のマイケル・ケイズン教授(歴史学)は、世界的な金融危機につながった08年のリーマン・ショックが転機だったと指摘する。「欧州では社会民主主義者が政権内にいて危機への責任を問われて批判を受けたが、米国はそうではなく(社会主義は)ある種の新しさがあった」といい、前回大統領選でのサンダース氏の登場で火が付いたという。

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