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社説

新国立競技場が完成 末永く活用できる施設に

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 東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場が完成した。6万8000人収容の客席を備え、日本のスポーツの殿堂となる。「杜(もり)のスタジアム」をコンセプトに緑の木々が外周に配され、56年ぶりとなる五輪の開幕を待つ。

     完成までは曲折をたどった。イラク出身の女性建築家、ザハ・ハディド氏の奇抜なデザインが採用されたが、3000億円超もの費用がかかることが判明し、計画は白紙撤回となった。改めて日本の建築家、隈研吾氏の案に変更され、最終的な整備費は1569億円に収まった。

     工期通り、完成にはこぎつけた。しかし、施設の後利用をめぐり、新たな課題も浮上している。

     大会後の収益性を見込み、当初は陸上トラックを取り壊して客席を増設し、8万人収容の球技専用のスタジアムに改修する方針だった。

     しかし、本拠地に利用したいと名乗りを上げるサッカー・Jリーグのクラブはなく、ラグビーは秩父宮ラグビー場を建て替える計画がある。

     逆に、コンサートを頻繁に開催するのなら機材搬入に陸上トラックを残した方がいいとの意見もあり、球技専用案は暗礁に乗り上げた。

     施設を所有する日本スポーツ振興センターによると、維持管理費は年間24億円と試算され、今年半ばに民間事業者へ運営権を売却する事業計画を決めるはずだった。しかし、採算性の問題などから、計画策定は来秋以降に先送りとなった。

     過去の開催都市も施設の後利用で明暗が分かれている。2016年リオデジャネイロ五輪の会場が集まる五輪公園は、民間への運営委託がうまく進んでいない。12年ロンドン五輪の競技場も、多額の費用で改修することに批判が集まった。だが、座席を可動式にするなどして利用性を高め、今年は欧州初となる米大リーグの公式戦が開催されたほどだ。

     明治神宮外苑競技場だった戦中は学徒出陣壮行会の舞台になり、戦後は国立競技場として再建されて1964年東京五輪を歴史に刻んだ。

     生まれ変わったスタジアムは我々にどんな記憶を残してくれるだろうか。立派に完成した施設が末永く活用されるよう、関係者には「負の遺産」にしないための知恵を絞ってもらいたい。

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