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社説

子どもの貧困対策 改善の具体策が足りない

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 子どもの貧困対策をめぐる新たな大綱が閣議決定された。今後5年間の国の施策の指針となる。

     6月に子どもの貧困対策推進法が初めて改正され、「将来」に向けた学習支援に加え、「現在」の生活や家計への支援にも力点を置く方針が明記されたことを踏まえたものだ。

     新大綱では、公共料金の未払い経験など、貧困状況が改善しているかどうかを検証するための指標を25項目から39項目に増やした。法改正を踏まえ、家庭の現状を示す指標が入ったことを評価したい。

     新指標をみると、電気、ガス、水道料金の未払いを経験したことがある割合は、子どもがいる世帯全体では5~6%だが、ひとり親世帯では14~17%に上る。必要な食料が買えなかった経験は全体で17%、ひとり親世帯で3割強に達する。

     子どもの貧困率は2015年で13・9%と12年より2・4ポイント改善したが、7人に1人と高い水準にある。現状はまだ厳しい。

     大綱の基本方針では、必要な人に支援を確実に届けることが強調された。妊娠・出産期から子どもの自立まで切れ目のない支援など幅広い関連施策も盛り込まれた。

     だが、家庭の困難な現状を改善するための方策は、高等教育や幼児教育・保育の無償化など、大綱見直し以前に決まっていた施策の促進が目立つ。全体としては踏み込み不足と言わざるを得ない。

     貧困率改善のために重要なのは、ひとり親世帯への支援だ。8割が働いているにもかかわらず、貧困率が50・8%(15年)に上る。収入が低い非正規雇用が多いためだ。

     ひとり親への就労支援では、企業が積極的に正規雇用に取り組むような新たなインセンティブを検討することも必要ではないか。経済的支援では、児童扶養手当で2人目以降の加算増額などがされたが、まだ不十分だ。しかし、今後の拡充については触れられていない。

     子ども食堂をはじめとし、民間主導の支援は広がりをみせている。官民連携の重要性は増すが、NPOなどの人材育成や待遇改善に特化した施策は打ち出さなかった。

     より具体的な改善目標を持って財源を確保しなければ、現状打開の道筋は見えてこないだろう。

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