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中満泉さんから「地球を変えるあなたへ」

(9)未来のための軍縮 禁止すべき新たな武器

「殺人ロボット反対キャンペーン」の集まりで、マスコットの平和ロボット、デビッド君(左)らと一緒に議論する中満さん(右はじ)=Thomas Hajnocziさん提供

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禁止きんしすべきあらたな武器ぶき

 今日きょうは「未来みらい世代せだいのための軍縮ぐんしゅく」、あたらしい科学技術かがくぎじゅつ安全あんぜんについてはなしましょう。

     人間にんげん歴史れきしつねに、あたらしい発明はつめいゆたかになるため活用かつようし、その発明はつめい自分じぶんたちの安全あんぜんおびやかさないように努力どりょくする、というかえしでした。典型てんけいてきれいが、20世紀せいき原子力げんしりょく発見はっけん核兵器かくへいき問題もんだいです。原子力げんしりょく平和へいわてき利用りようされれば、病気びょうきなおしたり、農業のうぎょう品種改良ひんしゅかいりょう害虫駆除がいちゅうくじょ役立やくだったりしますが、原爆げんばくおおくのひといのちうばいました。

     わたしたちのきる21世紀せいきでは、人工知能じんこうちのう(AI)やサイバー技術ぎじゅつなど、生活せいかつのあらゆるめん根本的こんぽんてきえるしん技術ぎじゅつがすごい速度そくど発達はったつしています。すでにいくつかの分野ぶんやで、わたしたちの安全あんぜんおびやかす事態じたいてきました。

     たとえば、ウクライナでは2015ねんと16ねん真冬まふゆに、インターネットを使つかったサイバー攻撃こうげきで、大規模だいきぼ停電ていでん発生はっせいし、おおくの人々ひとびと被害ひがいけました。現在げんざい世界中せかいじゅうで39びょうに1なにかしらのサイバー攻撃こうげきおこなわれているとわれています。もしふたた大規模だいきぼ戦争せんそうきるとすれば、サイバー攻撃こうげきからはじまるだろうともわれます。

     AIがみずからの判断はんだん人間にんげんころ通称つうしょう殺人さつじん(キラー)ロボット」(正式せいしきには「自律じりつがた致死ちし兵器へいきシステム」)をつくることはもう可能かのうです。こんなものがもし実際じっさい使つかわれるようになったら、未来みらい戦争せんそう想像そうぞうできないものになるでしょう。

     まるで映画えいがのようですが、たとえばテロ集団しゅうだんがAIやサイバー技術ぎじゅつ使つかって核兵器かくへいき指令しれい系統けいとうにハッキング(不法侵入ふほうしんにゅう)して、戦争せんそうこす可能性かのうせいもゼロではありません。3Dプリンター技術ぎじゅつ悪用あくようし、簡単かんたん武器ぶきつくることも可能かのうになるかもしれません。

    殺人さつじんロボを規制きせい

     このようなしん技術ぎじゅつは、原爆げんばくのように政府せいふ膨大ぼうだい資金しきんをかけて開発かいはつするのではなく、若者わかものがパソコンでつくることもできます。そしてそれが、軍事ぐんじ目的もくてき転用てんようされてしまう可能性かのうせいがあります。

     国連こくれんではきんねん、このような問題もんだい早急さっきゅう対応たいおうしなければならないとの意識いしきたかまり、真剣しんけん議論ぎろんはじまっています。AIの分野ぶんやでは今年ことしがつ武力行使ぶりょくこうし決定けってい機械きかいでなくかなら人間にんげんがしなくてはならないなど、11の原則げんそく採択さいたくすることができました。これらを具体的ぐたいてきにどう実施じっししていくかを、これから2ねんかけて議論ぎろんします。国連事務総長こくれんじむそうちょうは「機械きかい人間にんげんいのちうば決定けっていくだすことは到底とうていれられることではなく、国際法こくさいほう禁止きんしされなくてはならない」との立場たちば明確めいかくにしています。

     そして12がつ前半ぜんはん週間しゅうかんは、国連こくれんでサイバー空間くうかんでの安全保障あんぜんほしょうかんする重要じゅうようはないがおこなわれます。サイバー空間くうかんは、人間にんげんにとって、りくうみそら宇宙うちゅうつづいつ空間くうかんです。ここには国境こっきょうがありません。国際法こくさいほうがどのように適用てきようされ、どのような原則げんそくしたがって行動こうどうすべきかを早急さっきゅうめなくてはなりません。サイバー空間くうかん紛争ふんそうきたさい解決かいけつ方法ほうほうかんがえなければなりません。

     まず全世界ぜんせかいのサイバー分野ぶんや民間企業みんかんきぎょう市民団体しみんだんたい代表だいひょうふくめて議論ぎろんします。通常つうじょう国連こくれん各国かっこく政府せいふ交渉こうしょうですから、これは大変たいへんめずらしいことです。しかし民間みんかん研究者けんきゅうしゃによって技術革新ぎじゅつかくしんおこなわれているのですから、かれらとの協力きょうりょく必要ひつようです。

     あたらしい科学技術かがくぎじゅつは、うまく使つかえばわたしたちをゆたかにし、ゆめをかなえてくれます。けっして、わたしたちの安全あんぜん脅威きょういあたえるものであってはいけません。


    感想文かんそうぶん募集ぼしゅうします

     中満なかみつさんのコラムの感想文かんそうぶん募集ぼしゅうします。抽選ちゅうせんで30にんに、中満なかみつさんのほん危機きき現場げんばつ」(ルビき)を2さつずつプレゼントします。1さつかよっている学校がっこう寄贈きぞうします▽感想文かんそうぶんは、小学校しょうがっこうねんせい以下いかは200以上いじょう、4ねんせい以上いじょうは400以上いじょうです。おくさきは〒100-8051(住所じゅうしょ不要ふよう毎日小学生新聞まいにちしょうがくせいしんぶん編集部へんしゅうぶ中満なかみつさん感想文かんそうぶんがかり」か、メールでmaishou@mainichi.co.jpへ。住所じゅうしょ氏名しめい年齢ねんれい電話番号でんわばんごう明記めいきしてください。りは12がつ16にち必着ひっちゃく優秀ゆうしゅうさく紙面しめん紹介しょうかいすることを予定よていしています。学校がっこうなど団体だんたいでの応募おうぼ歓迎かんげいします▽これまでのコラムは、毎小まいしょうのサイトにまとめて掲載けいさいしています。


    中満なかみついずみさん[国連こくれん事務次長じむじちょう

     1963ねんまれ。アメリカの大学院だいがくいんて89ねん国連こくれんり。難民なんみん保護ほご国連平和維持活動こくれんへいわいじかつどう核兵器禁止条約かくへいききんしじょうやく採択さいたくなどのためにはたらいてきた。著書ちょしょ児童書じどうしょ危機きき現場げんばつ」など。

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