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社説

パリ協定とCOP25 「米抜き」克服する決意で

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 温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約の締約国会議(COP25)が、きょうスペインで始まる。190を超える国・地域が参加する「パリ協定」の始動を来年に控え、各国が具体的な行動を表明する。

 開幕に先立ち、国連環境計画(UNEP)が公表した将来予測は厳しいものだった。

 世界の温室効果ガス排出量は増え続けており、各国が削減目標を達成しても、産業革命前からの気温上昇は今世紀中に3・2度に達するという。パリ協定は「1・5度」に抑えることが努力目標だが、その倍以上だ。2度の上昇で悪影響の程度が格段に増すとされる。

 国連のグテレス事務総長は各国に対し、削減目標を引き上げるよう求めている。2050年の排出量を実質ゼロにすることも求めた。

 COP25では、呼びかけに応じる国も出てくるだろう。だが、現時点で意欲的な国々は途上国や小さな島国が中心で、削減量での貢献は限定的だ。実効性を高めるには、大排出国の野心的な関与が欠かせない。

 日本は世界第5位の排出国だ。ところが政府の目標は「50年までに80%削減」と、野心的にはほど遠い。原発の停止が長引き、電力供給を石炭火力発電に頼る現状があるにせよ、削減への覚悟を示さない限り、国際的な批判は高まるばかりだ。

 パリ協定は、15年に合意された。先進国も途上国も公平に削減への責任を担うという歴史的な国際約束だ。一国の利害や対立を超え、地球の未来のために行動することをうたっている。

 だが、大排出国ではむしろ自国第一主義の傾向が強まっている。世界第2の排出国でありながら、協定からの離脱を正式通告した米国の態度は最たるものだ。

 その一方で、政府に同意しない米国内の都市や財界、投資家、教育機関などが連携し、COP25でアピールする動きもある。「ウィ・アー・スティル・イン(我々はまだ残っている)」が合言葉だ。

 米抜きの多難な船出であることは確かだが、危機感を共有する草の根の活動は力強い。あらゆる立場の人が、過酷な未来を書き換える一歩を踏み出すときだ。COP25は、その決意を確認しあう場になる。

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